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2012 春アニメ 1話感想 そのさん

お好きならどうぞゾーンです。このゾーンまで観るとなると週休二日では厳しいぞぉ。

夏色キセキ

TBSがかなり力を入れている1本。スフィアのファンならどうぞ。

「丁寧な心理描写」「個性的で魅力的な女の子」「キャラが歌う歌が良い」「ロケ地とのタイアップ」と売れそうな要素を真摯に取り入れて、良いオリジナルを作ろうとしている姿勢が見えて、ある意味で好感の持てる仕事なんですが、サラリーマン的には裏の会議が透けて見えそうでちょっとなあという気もします。スフィアのプロモアニメに見えちゃうかも。

もちろん、面白ければそれでもかまわないんですが、第1話はちょっと不安のよぎる出来でした。しかし、スフィアのファンはそれも含めて楽しめばいいと思います。

トランスフォーマー プライム

ビーストウォーズ以来のフルCGのトランスフォーマー。トランスフォーマーファンならどうぞ。

トランスフォーマーはなぜか日本製作はつまらなくて、アメリカが作ると面白い法則があります。今回の1話もなかなかの出来。新しいファンが入ってくる入り口としてのリメイクとしてはかなりいいと思います。流行ってくれるといいんだけどなあ。

黒子のバスケ

ジャンプ連載(なの?)のマンガが原作。テニミュファンならどうぞ

いや、そう決めつけるのはよくないかもしれませんが。バスケマンガなんですが、ライバル5人がいるらしいんで、そういう感じに持って行くのは容易だナーと。バスケマンガとして面白くなるのかどうかはちょっとわからないですが、スポーツものはつまらなくするのが難しいぐらいですから大丈夫でしょう。ジャンプだしね。

黄昏乙女×アムネジア

ガンガンJOKER連載の漫画が原作。えーっと、誰向けかはよくわかりません。まあ原作ファンなら。

旧校舎に閉じ込められてそのまま死んでしまった女学生の幽霊に取り憑かれる主人公ですが、その幽霊の正確がお茶目で明るかったという話。ただ、まだ謎は隠されていそうで、気になります。ちょっと個性が弱い気はしますが、安定して面白そうです。

ヨルムンガンド

サンデーGX連載の漫画が原作。海外B級ドラマファンならどうぞ

美人の死の商人と、彼女とチームを組む傭兵集団が世の中を良くしたり悪くしたりする話。GXに連載ということからもわかるとおり、ある意味でヒーローもの。近いのは「特効野郎Aチーム」かなあ・・・というわけで、あの手の話が好きなら楽しめそうです。まあ、ふつー。キャラの目の周りに毛が生えているのが気になる・・・まつげなの?

ZETMAN

桂正和の人気漫画が原作。ダークヒーローものがお好きならどうぞ

本来ならもっと前で紹介してもよいクオリティなんですが、個人的にシリアスなバイオレンスがちょっと苦手。というか、こんなのいくらでも酷い話にできるわけで、そっちのセンスじゃないなあという感じ。これじゃなくてゆうきまさみの「鉄腕バーディー」が好きといったらわかってもらえるでしょうか。たぶん、世間的にはかなり高評価で注目作・・・のハズ。

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2012 春アニメ 1話感想 そのに

次は「毎週楽しみに観ます」ゾーンです。

宇宙兄弟

はやぶさブームも一段落してきたところでの宇宙アニメ。映画化もされているようで、メディアミックスですなあ。原作は未読です。

宇宙飛行士ものは先達もいろいろあるので、ただそれだけでは目新しさもありませんが、まあ「プラネテス」からも10年経っていますし、日本の宇宙開発のためにはどんどんと宇宙物はつくるべき!。内容的にもサラリーマン悲哀物になりかねないところを、日曜朝という放映枠にギャグがうまくマッチさせていて(元が青年誌だから、結構変えてるのかなあ)、アニメは好印象です。あんまりシリアスにならないでこのまま、軽妙に行って欲しいところです。

脱力なOPソングはなんとユニコーン。メジャー感が漂ってますねー。

さんかれあ

マンガが原作。原作は未読です。美少女ゾンビものです。そんなジャンルがあるならば(笑)。

変わった趣味をもつ男子高校生と、親の異常な束縛から逃れたいお嬢様女子高生が出会って変わっていく・・・と書けば珍しくもない話なんですが、お嬢様がゾンビに変わるとなればちょっと話は変わってきます。ゆっくりとしたペースでお話は動いているので(キャッチーさを要求するなら1話でゾンビにならなきゃいけないところですが、そういうプレッシャーはないみたいですね)、ゾンビになったあと話がどう動いていくのかわかりませんが、楽しみです。

OPは「花咲くいろは」のテーマが印象的だったnano.RIPE。デビューアルバム、買っちゃいました。今回も独特の声の魅力を聴かせてくれます。

這いよれ!ニャル子さん

美少女クトゥルーもの。そんなジャンルが他に・・・COCOさんがいるか(笑)。ラノベ原作です。

ぶっちゃけ、ただの落ち物系なんですが、クトゥルーネタに加え、オタクねた満載にして笑かしてくれます。ハイテンションさとばかばかしさが上手く演出されていていいですね。ここのところ、この系統のアニメは登場人物が性的に変態というネタが続いてたので、ただのバカというのは、なんだかほっとするというかなんというか(笑)。

ここまで紹介したアニメの主題歌は、「アニソンもメジャーになったよなあ」と思わせる有名アーティストのそれも良い曲ばかりでしたが、これはアニソンの別の王道。ベタな曲に畑亜貴の詞をキャラが歌います。出だしの

(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー! 

頭がおかしくなった人が続出しているようです。まあ、曲名からして「太陽曰く燃えよカオス」ですからね(笑)

エウレカセブンAO

私的には大注目のエウレカの続編。パチンコで貢いでくれた人ありがとう!エウレカの続編が見られるなんて思わなかったよ。

1話の段階では謎振りまきまくりで初見の視聴者おいてけぼりまくり・・・というか、若干私も置いていかれた感もありますが、この物語の疾走感はやっぱり「エウレカ」。素直に心沸き立ちます。面白い。設定の方は堺三保さんも入ってますし、まあ、おいおい上手く説明されるでしょう。

前作(・・・といかTV版の続きってことでいいんですよね、これ)のラストはボーイ・ミーツ・ガールなんだけど、実はファースト・コンタクトだったというびっくりこな話だったわけですが、今度の主人公の男の子はエウレカの息子のよう。目が宇宙人仕様なんですけど、エウレカって子供産めるの・・・というかどうやって増えるの?(笑)。まあ、、西暦2015年といってる段階で別の世界の話なのかな?

OPはバークリー音楽学校で知り合って日本でロックバンドはじめちゃったおかしな人達ことHemenway。普通にカッコイイです。

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2012 春アニメ 1話感想 そのいち

もう5月も目の前ですが、1話感想です。

今期はたくさんある上に、非常にハイレベルな作品が並んでます。とてもとても視聴がおっつかない状態です。

さて、注目ゾーン。ただ、後までブームをつくるような作品は見当たりません。普段アニメをみない友人にも「これだけは見ておいた方がいいよ」と強くプッシュする作品は見当たらないかも。

LUPIN the Third ~峰不二子という女

という中で、唯一、普段アニメを見ない人にプッシュしてみたいのがこの作品かも。ただし、アニメファンどうのこうのという方向ではなくあまり間口が広くない作りなので、気に入ってもらえる可能性は微妙かも。日本人だったらほぼ誰でも知ってる峰不二子というキャラクターを主人公にするのは面白い試みだと思いますし、不二子というのはともすれば下品であったり嫌なキャラになるところをキュートに見せています。が、登場しているシーンのほとんどが裸なので(笑)、やはり好みにもよるでしょうね。

TBSラジオの「粋な夜電波」リスナー的には、音楽が菊池成孔さんというのもポイント。これもどちらかといえば間口を狭める方向なんですが(笑)、ある意味で試金石で、このPVの5拍子の変な曲を聴いて「かっちょええ」と思えたらハマること間違いなしです。

アクセル・ワールド

注目ゾーン2本目はラノベ原作。同じ作者は「ソード・アート・オンライン」も7月からのアニメ化が決まってます。ある意味、ネタ的には似てるので何も連続しなくてもいいのに。サンライズの製作。

1話を見る限り、つかみも上手い、キャラもいい、仮想世界の描写もいい。お話的にも爽快感とカタルシスも世界に対する謎も主人公の成長物語もちゃーんと用意してあって優れた作品であること間違いなしです。ただ、ベタにSFで仮想世界ものなので、一般に向けてのヒットはちょいと難しいかなあ。SFに慣れてない視聴者だと、全員が仮想世界に入れる端末を身につけている世界だという世界設定の説明がないので「なにこれ?」かも。まあ、今時そんな人はほっとけばいいとも思いますけど。

アニソン的には、OPがMay'nでEDがKOTOKOというのも鉄板ですな。

坂道のアポロン

今期のノイタミナそのいち。長崎を舞台にしたバンカラ(死語)とガリ勉(ほぼ死語)がジャズを通じて心を通じ合わせるという少女漫画が原作。原作マンガはかなり前に1巻だけ読んだことがあるんですが、あまりに地味であまり惹かれなかったのを覚えています。

しかし、渡辺信一郎監督と音楽菅野よう子で音楽アニメをやるとなれば話は別。1,2話も地味といえば地味なんですが、やはり音楽シーンに実際に音が付くとがらっと印象は変わります。ジャズがテーマなので、間口は広いようであまり広くない気がしますが(笑)、アニメを見ない人に「何か面白いのない?」と聞かれたら、第一候補はこれか、あるいはノイタミナそのにの方かもしれません。そういう意味で、やっぱりノイタミナはすごいな。

アニソン的には、OPがYUKI。YUKIは初期のノイタミナで「ハチミツとクローバー」のOPも1期目、2期目ともにやっています。EDは新鋭、秦基博。どちらも菅野よう子さんが曲を提供するというところまで徹底しています。

つり球

今期のノイタミナそのに。「坂道のアポロン」がアニメ慣れしていない人でもすんなり入れる作品であるが故に、「アニメじゃなくても」と思われかねない反面、こちらはアニメらしい作品。背景の原色な色使いも、デフォルメされたキャラの演出も、押しかけ宇宙人というネタも非常にアニメ的。そして、それらの要素が集まってすごく新しいものに見えてます。さすがは中村健治監督といったところ。

個人的にはあんまり中村監督の作品は観ていないのですが、キャッチーでポップな目を惹く演出をするけど、その割に話は面白くない人という印象なんですよね(笑)。ただ、今回も話はたいして珍しくも面白くも無いんですが、演出が面白ければアニメはこんなに面白いという見本のような作品です。人に勧めるなら、今期はこれかなー。

OPのフジファブリックの曲はとってもいい曲。EDはなぜかスピッツの「空もとべるはず」のカバー。そして、音楽担当は久しぶりに聴いたぞ栗コーダカルテット。「あずまんが大王」の・・・といえばぴんと来るアニメファンは多いでしょう。この作品にはリコーダーはホントにぴったりですね。


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ピープルVSジョージ・ルーカス

もうすっかり先月のことになるんですが、「ピープルVSジョージ・ルーカス」という映画を観てきました。私もスターウォーズは人並み以上に好きです・・・が、といってもオタク的に常識というレベルです。「ウーキーの母星の名前は?」と聴かれたら「キャッシーク」、「反乱軍のリーダーの名前は?」と聞かれたら「モン・モスマ」と、これぐらいはさくっと出てきますが、普通ですよね?ですよねー。

そんな私も、じぇんじぇんこんな映画の存在は知らなかったんですが、伊藤聡さんのブログ「空中キャンプ」で紹介されているのを観て、これは行かねばと。

伊藤さんの紹介が素晴らしいですし、すっかり上映も終わっちゃってるので自分の感想はちょっと作品から離れます。どんな映画か知らない方は、先に伊藤さんのブログを見てください。ちなみに、劇場の雰囲気はお客さん20人ぐらいで、漏れる笑いもなんか暖かい感じでした。笑うポイントがみんなマニアックなんですよね。「つか、ミディ・クロリアンて!」で苦笑・・・って感じで(笑)

さて、自分としては、まあ、作品の趣旨にも出てくるファンの意見にも共感せざるを得ません。得ませんが・・・Ep.1ってそんなにダメだった?

期待していたレベルになってないことはわかります。だけど、これで怒っていたら、「スタートレック」のファンとか、「ガンダム」のファンとかやってられませんぜ?(爆)。ファーストガンダムのファンが「機動戦士SDガンダムの逆襲・武者ガンダム参上」とか「起動武闘伝 Gガンダム」を観たときのショックに比べればねぇ。甘やかされてるねぇ、君たち。

と、自分がEp.1を観に行った時に事を思い出すと、がっかりするのが嫌すぎて公開直後は観に行けず、公開後にだいぶ人が少なくなった頃に平日午前中を狙って観に行ったのを思い出します。ナイーブだなあ、私。そして、斜め前に一人で座っていたOL風のお姉さん(私は当時大学生)が、ポッドレースのシーンで大爆睡していてショックでした。お姉さん、この映画のこのシーンで寝ちゃったら、他に観るところないよ!(笑)

というわけで、スターウォーズが好きなら観て損はなし。BDが出るらしいですけど、2度観るほどではないですからねぇ・・・ん?

特典映像 270分!?

気になるなぁ・・・

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LAMY note

先日、新宿高島屋の文具売り場をうろうろしていました。ショーケースには1万円クラスのペンが並んでいて、ぼーっとそれを眺めていましたが、あまり印象的なペンはありません。そもそも、私はあまり高価なペンには興味がありません。良いデザインであるに越したことはありませんが、物にはそれにふさわしい値段があるべきですし、機能を越えたデザインは好きではありません。

それに、ペンなんて普段使いしていれば落としたり忘れたりするものです。なので、普段は気に入った数百円の水性ボールペンをたくさんまとめ買いし、自宅にも職場にも複数本置いて、そのうち1本をポケットに挿して持ち歩いています。忘れたらコンビニですぐに買えば済みます。使いもしないペンをたくさん買ってもったいないという人もいるのですが、「必要なときに手元にペンがない」というストレスが数千円で解消できるのであれば安いものです。

そんな私なので何の気なしに眺めていました。ちょうど進学シーズンだということもあって売り場はそこそこの繁盛です。その中でなかなかカッコいいデザインのペンに目がとまりました。

シンプルなフォルム、マットな表面仕上げ、遊びごころのあるクリップとノックの形状。きれいです。お値段は1,890円。

ん?1,890円?桁、間違えてない?周りのペンと違いすぎるんだけど。

紛れもなく1,890円でした。LAMYのnotoというモデル。ふつーの替え芯をつかうただの油性ボールペンです。後で調べてみると、何のことはない、デザインしているのはINFOBARを作った深澤直人さんだそうで、そりゃ私が好きなのは当然です。コンビニで買うボールペンの10倍の値段はしますし、あまり好きではない油性ボールペン(水性ジェルインキの書き味が好きなのです)ですが、これは買うでしょう。店員さんを呼び止めました。「すいません、

これ10本下さい。」

困惑気味の店員さんがバックヤードから戻ってきて言うには、白3本と黒2本しかないそうです。しょうがないなあ・・・。と、オレンジ色も取り出してきたりしました。それはなに?旧モデル?今のより安いの?オレンジもいいなあ・・・。ください。

というわけで、オレンジは赤の替え芯に変えて、白とオレンジ2本を楽しく持ち歩いています。

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コズミック・フロント DVD-BOX

「コズミック・フロント」という番組の素晴らしさについてはいまさら何もいうことはありません。先週の放送の「私たちは火星人!?最新探査で迫る生命の起源」も素晴らしい回です。

我々のようなDNA/RNAを遺伝子に使う生物が生まれるためには、ヌクレオチドが重合してRNAを作る反応が起きなくてはいけませんが、これは常に拡散が起きてしまう海では起きにくく、「水たまり」が必要です。非常にわかりやすいですね。そして、生命が誕生した頃、水たまりは地球にはなく(地球に陸ができるのは地球が誕生して20億年ぐらいした後です)、火星にはありました。

では、火星で生まれた生命が地球にやってくることはあり得るのか・・・という話はウォードの「生命と非生命のあいだ」で読んだ(パンスペルミア説ですな)ので知ってはいたんですが、映像も素晴らしく、提唱しているのがスノーボールアース説と同じ人というのはしらなかったので、わくわくしてみました。面白かったよ!

そんな素晴らしい「コズミック・フロント」なんですがBGMも大変に素晴らしい。Nスペは過去にたくさんBGMの名盤を出していますが、サントラが発売されるやいなや、これも間違いなくその仲間入りとなるでしょう。

・・・なのにサントラがDVDボックスのおまけってどゆことー?

いや、しょうがないから買いましたよ。サントラには満足です。でもですよ、そもそもBSハイビジョンで放映され、ハイビジョンの美しさを余すところ無く表現した映像を何が悲しくてDVDで買わなきゃいかんのですか。ぶっちゃけ放送を録画したBDがあるので、観たくなったらそっちを観ます。

なんでなんですかね?。いまやプレスにかかるお金なんてたいして変わらないと思うんですが、ハイクオリティ版は放送しちゃってるので、例えば学校教材として使うには普及しているDVDの方がよいとかそういうことなんですかね?でも、別に両方出したっていいじゃないですかね。ホントがっかりです。

正直、録画もしてるし、観たくなったらNHKオンデマンドでも観られるんで、パッケージ版は要らないんですよ。サントラだけ欲しかった。くそう、でっかく書いとこう


サントラだけ欲しかった!




2万円もしましたがサントラ最高でした。おまけにDVDもついていたので、誰かにあげたいと思います。ありがとう(>_<)

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プランク・ダイブ/グレッグ・イーガン

昨年発売された21世紀最高のSF作家グレッグ・イーガンの短編集です。

今回の短編集はかなりハードです。というか、相変わらずハードもハード、こんなので読書が本当についてくるのかわからないほどのカチカチのハードSFなんですが、この人が当代随一のSF作家として認知されているんだからSFファンというのは難儀です。

今回の短編では、特に仮想空間ものが多い印象を受けます。人類が肉体を捨てて意識を仮想空間上に移して永遠の人生を生きていることが前提となっている作品がかなりあり、SFを読み慣れていない読者でそんな設定に慣れていないという読者はまず最初からつまずいてしまうかもしれません。

では、以下は自分の忘備録も兼ねて感想を書きます。ネタバレしますので注意してください。

クリスタルの夜

仮想空間上に生命を生み出させるプロジェクトの話なんですが、そこで生み出された生命体に対して我々は神としての責任を負うのかどうかという倫理的な問題を扱っています。われわれの世界が実はコンピューター上のシミュレーションであるという設定の話はいくつか見かけたことがあるのですが、その逆の設定というのは意外に見かけないかもしれません。さらにそこから一歩踏み込んでいる所がさすがイーガン。

エキストラ

人間の意識は私に本当にあるのかとかというお話。脳みそを別の人に移植してみたら、切り離した脳みそにも肉体にもその人のアイデンティティが分離されて残ってしまったと言うちょっとホラーなお話です。この後で仮想空間上に意識を移す話が多くでてきますが、その場合には自分のコピーがたくさんあることに違和感がないのですが、ウェットウエア上の意識が分離されてしまうと途端に猛烈な違和感がありますね。面白い視点です。

暗黒整数

ひとりっ子」に収録されている「ルミナス」の続編です。ルミナスでは計算機上で終わってしまった別の数学を持つ世界との関わりですが、今度は実際にその間の戦いが起きたら世界はどうなってしまうのかが書かれています。前作とまとめた話として読めたほうがよかったですね。

グローリー

最初の数ページは一体何が起きちゃったのかと思うんですが、実は意外に普通なファーストコンタクトものです。結末で知ったことを本星へ送るかどうかの選択があるのですが、結果は意外でした

ワンの絨毯

大好きな「ディアスポラ」に組み込まれた話。「読んだことあるな-」と思いながらも、さっぱり絨毯の正体が思い出せなかった自分が悲しいです

プランク・ダイブ

これも肉体は失って意識だけがバーチャルに残った人類の話。そんな人達がブラックホールへ突入して、その特殊な状況であるチャレンジをする話・・・なんですが、もうね、あまりに概念が難しくて突入の様子や考察はさっぱりわかりません。この話の勘所はそこじゃなくて、自分自身のある時点のスナップショットを送り込んでいるので、ある意味決死の挑戦でありながら、決死になるのはスナップショットで複製された自分自身の意識の1バージョンだけで、そして、ブラックホールの性質上、そのスナップショットが得た知識は外へ持ち出せないので、要するに何もしていないのと何にも変わらないんですが(笑)、それでも人は行くのかとか、そんな話なわけです。うはー。

伝播

やっていることはグローリーと同じですが、もっとチャレンジに溢れた話。冒頭のセレモニーのシーンの緊張感がステキ

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「おかえり、はやぶさ」こと松竹版をみてきた

まあ、たぶん気に入らないんだろうと思いながら、はやぶさの映画を見てきました。それも、一番評判の悪い「松竹版」を(笑)。

興味の無い人に説明をしておきますと、はやぶさの映画は3社競作になっています。それぞれ、宇多丸さんにならって「20世紀FOX版」「東映版」「松竹版」と呼びます。詳しくは、ウィークエンド・シャッフルのPodcast 3/24 ザ・シネマハスラー「はやぶさ三部作」 をお聞きください。この放送の中でも松竹版はけちょんけちょんにけなされてます。

まあ、ご指摘はまったくもってその通り。じゃあ、なんでこれを選んで見に行ったかと言えば、青春ラジメニアの岩崎さんが東映版と松竹版の両方の試写をみて、松竹版を推していたからです。「失敗した火星探査機『のぞみ』の話が大きく取り上げられてて、今までの積み重ねが大事やねんというのが伝わってきたからと、まあ、映画としては東映版の方が立派でちょっとかわいそうやから判官びいきで」とコメントしていました。

「のぞみ」と聞くと、どうしても心揺さぶられます。松浦晋也さんの「恐るべき旅路」を読んで涙した私としては気になって仕方ない。というわけで、観てきました。

開始早々、「のぞみ」の最後の場面です。もうね、冒頭5分で泣きそう(笑)。そして、その「のぞみ」のプロジェクトマネージャーの息子がはやぶさのエンジニアで主人公(藤原竜也)という設定。いや、もうそれはずるい。途中、なぜか関係者の奥さんが難病で・・・という余計な話が入ってきたり、その息子が劇中で5年も経っているのにまったく成長しなかったりとか、えらく雑な部分もありましたが、もうね、「のぞみ」の話でまいっちゃう。絶対、嘘なんですよ、もちろん。「のぞみ」のプロジェクトマネージャーさんが引退後に引きこもりになっているとか絶対違うと思うんですけど(笑)、「『のぞみ』は関係者全員のものだ。だが責任は俺にあるんだ」と苦しむ三浦友和さんの芝居を観ると、もう耐えられない。うるうるです。

もうね、この映画は逆になっているべき。オープニングが「はやぶさ」の成功シーンで、この成功は「のぞみ」で繰り返したチャレンジが無駄ではなかったからだ・・・と「のぞみ」の話にしちゃいましょう。主人公は「軌道の魔術師」だった頃の川口さんで。最後は、悲劇になっちゃうんだけど絶対に感動的な映画になるし、今だからこそ作れるじゃない。正直、ほとんど地上の絵だけで済むんだからそんな高い予算がいるわけでもなし。3作バッティングしたんだから、1社ぐらいそんなのでもいいじゃんよ。たぶん、お客さんはみんなだまされたーと思うだろうけど(笑)。

あと、内之浦がどんなところかとか、M−Vの打ち上げシーンとかマニアックなCG映像が観られたのもちょっちうれしかったです。なぜか勢い余って難病の奥様が移植手術の為に渡米する飛行機までCGでつくってましたが。観てる人全員が「これいらんやろ」とツッコんでたと思います(笑)。あとは、的川さん(をモデルにした登場人物)が文科省のお役人を説得して運用予算をもらってくるシーンとか、例の「こんなこともあろうかと」のシーンとか、面白い場面もいくつか。なんだかんだいってラストはほっといても感動的なシーンなので、そこそこ満足して観られる映画でした。まあ、ツッコミいれながら観るのが楽しいって面もありますからね。

というわけで、素晴らしい映画とは言いがたいですが、楽しく観られました。他の2本も機会があったら・・・いや、もういいか(笑)


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