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自炊ビュアーの一長一短(そのさん)

iPadではドット・バイ・ドット変換が不要でしたが、同じ事はiPhone/iPod touchにも言えます。iPhone4以降の端末であれば、その300ppiを越える解像度で文字はくっきり。ただし、画面の狭さはいかんともしがたい。

文庫本に限ればiPhone/iPod touchでも余白を残して拡大することでなんとか読める大きさになります(年齢的な限界はありそうですが・・・)。ある意味、iPod touchは自炊した本を読める最小の端末としての価値はありそうです。さすがにkindleもジーンズのポケットには入りませんが、薄くて小さいiPod touchならどこにでも持ち歩けます。iPhoneだとYシャツの胸のポケットに入れるのも微妙ですが、iPod touchなら全然余裕です。

もちろん、iPodでもドット・バイ・ドットに変換した方が手で拡大する手間が省けますし、見やすいことは間違いないです。

これはドット・バイ・ドットに変換したPDFでkindleとiPod touch(第4世代)を比較したもの。画面サイズがおよそ半分ですが十分に読めることがわかります。

そして、これが変換していないPDFです。

まったく問題無いですね。

PSPも画面サイズ的には同程度です。解像度的にはiPod touchとは比べものになりませんが、十分に読めます。

CFWしないかぎりPSPはPDFを読めませんからJPEGに書き出してやる必要がありますが、それもChainLPを使えばドット・バイ・ドット変換と同じ手間です。

他によい端末がいろいろとある今では、わざわざPSPを使用して本を読む必然性はありませんが、私の場合は、お出かけ転送した録画を見るためにどうせPSPは持って歩いていますから荷物を増やしたくないという意味では十分にアリです。

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自炊ビュアーの一長一短(そのに)

ちなみに、E-Inkデバイスは階調がそれほどでないので、拡大縮小をすると字がかすれたようになりがちです。したがって、PDFは端末ごとにドット・バイ・ドットに変換してやる必要があります。

そうしてやれば、実際の紙と比較してもこんなにきれいです。

ただ単にScanSnapから読み込んだままのPDFを表示すると

このようにかすれたようになって、とても読めません。

これを前エントリのようにくっきりはっきりにさせるには、ChainLPを使用します。ChainLPには様々なデバイスの解像度(それもスペックとしての解像度ではなく、表示部の解像度)があらかじめ設定されてあり、さらに余白をトリミングしたり、コントラストを修正したりできます。これがなかったら自炊した本を持ち歩いて読もうなどととても思わない、素晴らしいツールです。つまり、素晴らしいツールです。大事なことなので2回言いました。

しかし、変換には数分の単位ですが時間がかかります。変換しなくて済むのであればそれに越したことはありません。

その点、カラー液晶を持つiPadやiPod touchはScanSnapで取り込んだPDFをそのまま表示させても問題なく表示できるのはいいですね。下は、iPadとの比較です。

iPadでのPDF表示はi文庫HDを使用してます。iPadでのPDF表示アプリは初期的には数百ページもあるファイルを読み込むとどれも不安定でしたが、どうやらPDF表示用のAPIに問題があったそうで、ノウハウが溜まったこともあり今はかなり安定しています。

E-InkとiPadの液晶はどちらも遜色ないです。iPadの方は読み込んだPDFの余白が切れるようにズームしている状態です。元の紙の解像度とまでは行きませんが、読んできて気にならない程度の精緻さです。よく、「液晶で本を読むのは目が疲れるから、E-Inkが良い」という人がいますが、個人的にはほぼ一日中液晶画面を眺めて生きているわけで、iPadで本を読んだからといって特別に目が疲れるような事はありません。確かに日向では液晶よりE-Inkの方が見やすいですが、そんな直射日光下で本を読むこともないので、それも気になりません。なんと言ってもE-Inkの利点はバックライトがないことによる電池の持ちでしょう。

ちなみに、液晶の大きな利点として、夜遅くのタクシーの中でも本が読めることがあります。タクシーの中って暇ですからね。まあ、あんまりそんなことをしていると車酔いしますけど。

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自炊ビュアーの一長一短(そのいち)

というわけで、とある文庫本の同じページをいろんなデバイスで表示してみました。

上段左から、PSP go, iPod touch、PRS-650、kindle4、iPadです

まず、PRS-650とkindle4の比較から

特別に言及するほどの差異はなし(笑)

大きさはほとんど変わりませんが、厚みは

上がkindle4。ちょっとkindle4の方が薄いです。重さもすこし軽い感じ。ま、ほとんど変わりません。

両者の機能的な差異といえば、PRS−650にはタッチパネルがあり、SDカードとメモリカードスロットがあり、音楽再生機能があります。しかし・・・

  • タッチパネルはうっかり画面を触ってしまうとページが送られてしまうので端末が持ちづらくなる
  • SDカードやメモリスティックにファイルをたくさんいれると、起動時にすごーく時間がかかる
  • やー、こんなガジェット持ち歩く人が他に携帯オーディオ機器をもってないわけが・・・最低でもケータイで聞くでしょふつー

というわけで大変に微妙。逆にkindle にしかない機能として、WiFiがついててNWに繋がる環境なら米Amazonから本をその場で買える機能が・・・や、比較してかわいそうだった。でも、英語の本しか買えないので結局、これも使わない機能に過ぎません。

となると、半額以下のkindle4が圧倒的勝利!いやー、かなりがんばらないとSony Readerは厳しいですね。WiFi付きの新機種がでましたが、もしkindleが日本に参入したら吹っ飛ぶこと間違いなしです。

あ、Sony Readerには英和辞典があるのはいいですね(笑)

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iPod touchとkindleのともに第4世代を買った

iPhone4Sの発売のニュースの中、我が家には新発売の白いiPod touchと新しいkindleが届きました。

iPod touchは第2世代を持っています。また、通勤中に音楽を聞くのにはiPod nano(第6世代)を使ってました。しかし、最近自分のiTunesライブラリを全部持ち歩きたいという欲求にかられました。私のiTunesのライブラリはたかだか40GBぐらいですからiPod touchの一番大きいサイズを買えば実現可能です。

もちろん、iPod Classicを買うという選択肢もあったわけですが、さすがにあれをポケットに入れて持ち歩くというわけにもいきません。せめて、Bluetooth に対応してくれたらと思うのですが・・・。

個人的な希望とすれば、iPod ClassicにBluetoothがついて、そしてiPod nanoがBluetoothレシーバーの機能を内蔵してくれたら最高なんですけど。

というわけで、しばらく「ほしいかも」と思い続けていたんですが、購入に踏み切ったきっかけが2つ。1つ目は、Bluetoothレシーバーを買い替えたこと。PSP goにお出かけ転送した録画を観るのにこれまでソニーエリクソンのDS205を愛用していたんですが、ついうっかりカッターシャツの胸ポケットに入れたまま洗濯してしまいました。

同じのを買ってもよかったんですが、同じソニーエリクソンからマルチペアリングに対応したMW600を買いました。実はこれを買う前に安さにつられて某NW機器メーカーのを買ったりしたんですけど、ぶちぶち切れてぜんぜん駄目。やっぱりBluetoothはソニエリに限るよね!

というわけで、マルチペアリングできるようになったので htc EVO にも繋いで、最近ついにあぼーんされてしまったらしいrazikoで録音したラジメニアを聞きながら通勤してました。しかし、MW600の再生ボタンを押して再生を止め、もう一度押すと違う番組が再生されたり、raziko ではなく音楽アプリが動き出してしまったり、そもそもrazikoには早送りボタンがなかったり(まあ、そりゃあストリーミングなんだからそうなんだけどさ)でいまいち使い勝手がよくありません。

そこで htc EVO からオーディオファイルを抜き出して、そのままではiTunesでは読めなかったので、App Storeで探すと見つかったPro Audio ConverterというツールでMP3に変換し、iPod で聞いてました。ありゃ、Bluetooth をhtc Evo に繋ぐ必要なくなってしまいました・・・というわけで、iPod nanoとiPod touchを入れ替えて使おうかなと。

そして、2つ目のきっかけとはもちろんiOS5。iPadがあるから触ってみることはできますが、第2世代 iPod touch は対応なし。じゃあ、買っちゃおうかなと。

もう一つのkindleですが、自炊本ビュアーとして大活躍中のSony Reader PRT-650(24,800円)と同じサイズのE-Inkデバイスでありながら、たったの$109。送料をいれて$123でこれでも9,800と1万円以下という衝撃プライス。これは買って試してみざるを得ないでしょう。

ちなみに、kindleも第2世代を持ってました。これも当時としては驚きの軽さと電池の持ちを誇る優秀な自炊ビュアーだったんですが、鞄にいれていたら変な力がかかったのか、E-Inkが壊れて部分的にしか更新がかからなくなってしまいました。大きくて薄いぶんだけ、壊れやすかったようです。

というわけで、せっかく買ったこれらで自炊PDFを表示してみたところを次のエントリーで。

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さよならジョブズ

スティーブ・ジョブズが昨日、亡くなりました。

波瀾万丈の人生だし、この業界の有名人はみんなそうですがみんなから好かれていた人ではありませんでしたが、間違いなく偉大な人でした。この業界で言えば、ビル・ゲイツが死んだとしても、こんな気持ちにならないかも知れません。

今もしゲイツが死んだとしても彼の為に残念だとは思いますが、社会の損失だとは思いません。しかし、ジョブズがこんなに若くして死んだことは大きな影響を与えると思います。ジョブズが2011年に死んだ世界と2021年まで生き延びた世界ではその差は大きいんじゃないか、そう思わせるだけの活動を2001年からのジョブズとアップルはしていました。

Windowsがまだ16bitだったころ、きだあきらさんの「API散歩道」というプログラミングに関する物語仕立ての連載がありました。

君は覚えているか、Windows APIを解説したホラムズとワタソンのことを!!

もうこの本は無くしてしまったのでうろ覚えになってしまいますが、この本の中で指南役のホラムズというキャラクターが「新しく書かれるプログラムには、ライフスタイルへの提案がなくてはならない」と言います。小さなツールだとしても、そのツールがあることによりユーザーの生活がどう変わるのか。技術の為の技術ではなく、それを考えてプログラムを書くことが大事だと。bitblt関数の話や、win32のもたらす広大なメモリ空間の話の合間に。

この台詞はずっと心に残っています。いろいろなプログラム、ツール、アプリケーション、サービス、ガジェット。あれから15年以上が過ぎ、様々なものが出てきましたが、私にとって「それが価値あるものか」の基準は常に「ユーザーのライフスタイルへの提案があるかどうか」でした。「技術的にできるからやった」「カッコいいあれを真似した」「今あるこれをデジタルに置き換えた」「半年経ったからモデルチェンジした」・・・そんな理由で出てくる様々なダメ製品やダメサービスは、この一言のもとに切り捨てることが出来ました。

しかし、スティーブ・ジョブズの作るものには常にそれがありました。

コンピューティングによるライフスタイルの変更を提案する。それが集まったのがMacでした。しかし、21世紀になってその提案はコンピューティングの枠をはみ出しました。

ソニーのウォークマンは「自分だけの音楽を身につけて外出する」というライフスタイルへの提案であり、小さいカセットデッキと言うだけではありませんでした。だからこそ、素晴らしい製品でした。カセットはMDになり、シリコンオーディオになっていきましたが、メディアの変更だけで、新たな提案はありませんでした。そこへiPodが登場しました。

言うまでもなく、素晴らしかったのはiTunesです。PCの中に自分だけの音楽ライブラリを簡単に構築し、そしてそれを持ち歩くというキチンとした提案がありました。iTunesの登場から10年が経ちましたが、ライバルは皆無と言っていいでしょう。それも、すべて当たり前のことを当たり前にやっているからです。まるで新しいウォークマンを買ったらCDをテープを全部ダビングし直すというようなことばかりを他のメーカーはやってますが、10年後もちゃんとiTunesは存在し、私が10年前にリッピングしたCDはまだ聞けて、最新のiPodで聞くことができると期待できます。

ジョブズが出してくるアップルの製品は単体でみると斬新だったり、画期的だったりしますが、その裏の提案をひもとくと実に素直で理にかなっています。決して斬新だったり画期的だったりすることが目的化しません。だから、Mac OS Xはどんどん機能追加されていますが、UIはほとんど変わらず、スクリーンショットからバージョンを言い当てられる人はよほどのMacファンだけです。逆に、Windows2000とXP、Vista, 7をスクリーンショットから見分けるのは容易です。それがどれだけ利用する企業の導入コストを上げているか。

常にそれを使うユーザーの姿がある。iPadはiPhoneという下地がありながらそれでも大きなジャンプをユーザーに期待した製品でしたから、iPadの発表時のプレゼンテーションにはそれをリビングのソファーで利用するユーザーの姿を出していました。それ以後に出てきたiPadフォローなタブレット端末に、具体的に「こう使って欲しい」という提案が含まれた製品があったでしょうか。「これができます」という発表は聞きました。iPadとの比較もたくさん観ました。しかし、提案がない。「どう使うのもお客様の自由です」。いや、それは単にサボっているに過ぎません。新しいカテゴリーの製品を出すということはライフスタイルへの提案をすることなのです。

アップルはこの10年で本当にたくさんの提案をしてくれました。そして、その結果、私の生活は大きく変わったと言っても言い過ぎではありません。そんな会社は他にありません。PS Vitaの発表の記事でプレイしているユーザーの姿って出てきましたっけ?例えば、PS Vitaでskypeが出来ますと。でも、ユーザーがPS Vitaでskypeをする利用シーンってどんな場合なんですか?なぜユーザーはPCでskypeするのでもなく、ケータイで電話するのでもなく、PS Vitaでskypeするんですか?使っているユーザーはどう見えるんですか?・・・それ要るんですか?

世の中、アップルのまねごとばかりです。歴代iMacのまねっこ筐体、アイソレーションタイプのキーボード・・・Mac miniの筐体も真似されましたね。ウォークマンはどんどんiPodにそっくりの形に。Androidを作った人ってあのiPhoneそっくりのUIがホントにいいと思って採用してるんですか?アップルが「こうあるべきだ」と考えて作ったそれらのデザインを特に考えなく使い回して。「うちなら同じものをアップルよりよく作れる」だって?そんな時代はとっくに終わっているのに。ライフスタイルへの提案。それは、今風に言えば、イノベーションという言葉になるんでしょう。

私たちの生活をほんのすこしでも愉快にしてくれる、そんな会社がもっとたくさんあればいいのに。私の周りの人がみんなMac Book Air 11インチを使っているので、区別のためにステッカーを貼る必要があるなんて世の中つまらないです。しかし、今、アップルを失うのはもっと悲しい。

8年前にガンを患って以来、ジョブズは自分がいなくてもアップルがそうしたイノベーションを続ける企業であるために動いているように見えました。死ぬ前に8/25の引退発表を出来たのは、それがぎりぎり間に合ったということなのか、どうなのか。私たちはもう「ジョブズの作品」を手にすることは出来ませんが、ジョブズの最後の作品はアップルそのもの。

アップルはまだある。ソニーだって任天堂だって常にではなくても素敵なガジェットで私たちをわくわくさせてくれる。Googleのようなネット企業も日々私の生活を変えるサービスを提案してくれています。私だって微力ながら個人としても、組織の一員としてもがんばりますよ。何もかもやってしまったわけじゃない。手遅れって訳じゃないし、素敵な22世紀が待っています。

だとしても、ジョブズのいない今日からはあり得たあの世界とはもう違う世界かもしれない。私にとって、スティーブ・ジョブズという名前はそんな名前でした。ただただ、残念です。残念でなりません。これまでありがとう。

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鬼物語/西尾維新

完結まであと2冊。「傾物語」では片付かなかった真宵の物語が完結します。

とは言っても、「化物語」らしいといえばらしいのですが小説度といいますか、物語度といいますか、そういうものはすごく低いです。ここ2作が駿河が語り部の「花物語」、撫子が語り部の「囮物語」とヒロインの内面を多く描写する物語成分の強い話でした。

しかし、今回はいつもの暦視点で、そして真宵が出てきていつもの掛け合いが始まると脱線に継ぐ脱線。話題はどんどん得意のメタ視点を駆け上るんですが、実はメインストーリーのオチもこの物語のルール自体が新たな「化物」として登場人物を襲うというメタロジカルなものです。らしいっちゃらしいですなあ。

そんなこんなで、今回はストーリーらしいストーリーがなく、基本的に登場人物がべらべらしゃべって終わってしまいます。暦と真宵のメタ漫才に始まり、今回の敵に襲われ、その敵に関する忍のながーい回想があり、そして、最後に伊豆湖がながーい謎解きをするという、ストーリー展開としては、20点ももらえない構成です。とても小説として評価できるシロモノではありません。

ですが、真宵のラストシーンが印象的だったので、よかったんじゃないですかね。ファンはとりあえず納得でしょう。

それにしても、次巻の「恋物語」で完結なんですが、いろいろと積み残していることがたくさんあるような・・・。楽しみに待ちましょう。アニメも「傷物語」が劇場で、「偽物語」がTVシリーズだそうです。まだまだ続きますね。

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