« 最近買ったマンガ | Main | オリンパス ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6 »

F1が見限られる

トヨタがF1を去ることになりました。

いつかこんな日が来るんじゃないかとは感じていました。2007年の開幕戦の感想で1997年のエントリーリストと比べてメーカーチームが多くなって、個人名のチームが随分と少なくなったことについて言及しました。しかし、モータースポーツの歴史を紐解くと、メーカーに依存したカテゴリーは必ずその撤退後に凋落します。そして、撤退は大抵、雪崩のように起こるのです。

2007年のエントリーでは、メルセデス(ダイムラー)、フェラーリ(フィアット)、ルノー、BMW、ホンダ、トヨタと6つの大きな自動車会社が参戦していたわけですが、ホンダが昨年撤退し、今年、BMWとトヨタ。ルノーもクラッシュゲートスキャンダルの影響でいつ撤退してもおかしくない状況です。

F1全体も、どうもおかしなところにはまりこんでしまっているように思えてなりません。ダブルディフューザーを生み出した曖昧なレギュレーションにKERSを巡る混乱。不可解なペナルティにライゲートスキャンダル。スコールがくると判ってる時刻に変更されたレース開始時刻。ガラガラのトルコの客席。FIA会長選を巡るゴタゴタ。次々にF1を去る有力者と、クビになる人達。そして、クラッシュゲート。

これらは全て今年起こったことですが、その全てがここ数年繰り返されてきたことでもあります。

正直言って、私の気持ちもF1から離れつつあります。

モータースポーツへの興味が失われることはありませんし、全てのチームが違う形のマシンを使い、毎戦、毎戦、どんどんとマシンが進化していくF1の楽しみは、他のワンメイクカテゴリーにはないものです。しかし、そこにすらもう平等な戦いは無くなってしまいました。軽量なフォードV8とパワーのホンダV12が争っていた時代は遙か昔。エンジンは全てV8に決められてしまいました。マシンのキャラクターの違いがあるからこそ、様々なサーキットで争う意味もあります。しかし、オールージュや130Rを全開で走っていくマシンにとって、サーキットのキャラクターの違いもあまり意味を成さないのかも知れません。

懐古主義的に昔が良かったと言い続けるつもりもありませんし、今年はレギュレーションが変わり、いろいろなトライがあり、KERS搭載車と非搭載車の戦いもあり、大変面白いシーズンでした。ドライバーも、ライコネン、ハミルトン、アロンソ、クビサ、ベッテルとそれぞれに個性的で、一時の「イイ子チャン」ばかりという印象も薄れました。

しかし、それを作り上げるための代償が余りにも多すぎる気がします。開催料が高くなり、富士が無くなり、モントリオールが無くなり、シルバーストーンが無くなり、ホッケンハイムが無くなりました。地球環境保全が叫ばれる中、あの美しいシンガポールGPの光景に眉をひそめる人は多いんじゃないでしょうか?スポンサーに気を使わなければならないのかもしれませんが、あんなモーターホームが本当にいるんでしょうか?テスト禁止もいいですけど、どちらかと言えばレースは高くて見に行けないファンに対して公開テストを各地で開催すればいいんじゃないですか?

F1をやることで海外でのプレゼンスを高めることが大事だというのも判りますが、実際問題として、ホンダとトヨタがF1で今さら高めなきゃいけないプレゼンスって何でしょう?F1を見て、ホンダやトヨタは格好いいなあ、応援したいなと思ったファンにドライビングプレジャーを与える車を、この2つのメーカーは持っているんですか?

F1は変わっていくでしょう。今のままではいられないと思います。無くなって欲しくはありませんが、F1は結局、他人の土俵でした。

日本人の我々はそろそろF1を離れて、自分自身で我々の為のレースを作るべきなのではないでしょうか。例えば、今、ホンダとトヨタには09年型のF1マシンがあるわけです(しかも、片方はチャンピオンカーです)。現役の日本人F1ドライバーが4人(中嶋、佐藤、小林、山本)います。世界に名だたるメーカーが3社あり、他に特徴のあるメーカーも多数あります。タイヤメーカーも複数社あります。富士の裾野には30年以上の歴史を持つチームやチューナーが多数いて、童夢という世界有数の風洞を持つコンストラクターもいます。F1開催経験のあるサーキットが3つあり、オーバルコースまで持っています。FNには日本人社長のカーコンストラクターが十分な供給能力を持って提供していて、かつてF1でチーム運営を行った元F1ドライバーのチーム監督が2人もいます。

これだけのリソースがありながら、世界最高のフォーミュラカーレースができないはずがないんです。それも、ホンダとトヨタがF1に費やしていたお金の10分の1で出来るんです。魅力あるレースをすれば、世界最高のドライバーはほっといても来ます。今こそ他人の土俵ではなく自分たちの土俵で、私たちが見たいレースを作り出す時だと、そう思うのです。

別にF1だから見たいわけじゃないのです。私たちは最高のレースが見たいんです。

|
|

« 最近買ったマンガ | Main | オリンパス ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47905/46676832

Listed below are links to weblogs that reference F1が見限られる:

« 最近買ったマンガ | Main | オリンパス ZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4.0-5.6 »