« 沈黙のフライバイ/野尻抱介 | Main | 醤油を買った »

H2Bロケット打ち上げ成功

先週の木曜日の深夜、H-IIBロケットが無事に打ち上がりました。深夜の打ち上げだったので、ニコニコ生中継で見守りました。こういうイベントのニコ生はいいですね。一体感を感じます。でも、世間的には

全然話題になっていない!

まあ、日本はこれまでたくさんのロケットや衛星を打ち上げているし、有人宇宙飛行でもない限りそれほどのプレゼンスを得られないのは無理もないのかも知れません。技術的にもそれほど画期的な何かが含まれているわけでもなく、散々、苦労して失敗もしたH-IIAの改良型です。

とはいえですよ、今回の打ち上げの意義は単にH-IIAが衛星を一個打ち上げたというのとは全然違うんです。

せめて、私のブログを定期的に読んでいらっしゃる全日本国民(のうちの1000万分の1)の方には理解していただきたい!と思います。

といっても、私がグダグダ説明するよりは、JAXAのビデオを観ればよろし。例えばコレ

他に、youtubeのJAXAチャンネルには打ち上げの模様も出てます。

そんな時間もないという人は、以下の点を抑えておきましょう。

  • ロケットが初物
  • 積んでる宇宙船(HTV)が初物
  • HTVの意義

ISSは知ってますね?国際宇宙ステーションです。ここには常時数名の宇宙飛行士が滞在し、日々、様々な業務を行っています。日本も実験棟を持っています。この実験棟の価値について、疑う人はいませんよね。

そして、ISSは人が暮らしているわけですから、もちろん補給が必要です。物資輸送と人員輸送の両方が必要ですが、現在はロシアのソユーズ(および貨物専用のプログレス)、欧州のATV、アメリカのスペースシャトルの3つの宇宙船で行っています。ロシア・・・というかソ連はロケットに冠しては抜群の信頼性と低価格を実現していて、事実上、ISSの運用はロシアのソユーズ定期便に大きく依存しています。欧州はアリアンという大質量を運べるロケットを商業運用していて、それでATVという輸送船を送っています。アメリカはスペースシャトルで大型の機材を打ち上げられます。ただし、スペースシャトルは信頼性の問題(<チャレンジャー>と<コロンビア>を失っています)と打ち上げ費用の問題を抱えており、また、2010年で引退が決まっています(もう補給部品の生産も終わっています)。

ISSにモジュールを持つ国として、自前の宇宙船を持たず全部他の国まかせの日本が不利な立場にあるのは、想像に難くないでしょう。現に<コロンビア>の事故により、<きぼう>の建設は大幅に遅れました。その能力が無いのならいざ知らず、ISSには多額の支出をしていて独自の技術もあるのですから、その支出を国内に向けた方がいいに決まってます。やりましょう。それがHTVです。

HTVの大きな特徴はプログレスやATVとは別の大きなハッチに接続することです。大きな実験装置も運び入れることが出来ます。<きぼう>実験棟の追加部分の輸送も担います。実際問題、スペースシャトルが退役するとHTVでしか運べない機材も出てしまいます。したがって、ISS参加各国にとってもHTVという第3の輸送手段の存在は大きな意義があるわけです。

このHTVを打ち上げるにはH-IIAでは能力に不足がありました。そこで作られたパワーアップ版がH-IIBなのです。今回は、このH-IIBの初めての打ち上げであり、初のHTV搭載です。HTVはただ軌道に放りこまれるだけの衛星ではなく立派に宇宙船なので、これからISSへ向けて移動し、ドッキングするという難しいミッションが待っています。どんな機械でも、実際に動かしてみれば何かしら問題が見つかるモンですから。ISSへは1週間程度かかるそうです。温かく見守ろうではありませんか。

|
|

« 沈黙のフライバイ/野尻抱介 | Main | 醤油を買った »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47905/46196558

Listed below are links to weblogs that reference H2Bロケット打ち上げ成功:

« 沈黙のフライバイ/野尻抱介 | Main | 醤油を買った »