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ロケットまつり33/地上の宇宙飛行士達(6/28)

感想が遅くなっちゃいましたが、久しぶりにロフトプラスワンのロケット祭りに行ってきました。今回のテーマはエコノートです。

宇宙作家クラブpresents
「ロケットまつり33/地上の宇宙飛行士達」
 月よりも遠くに行こうとするならば、長期間の宇宙旅行を覚悟しなくてはならない。もしも、完全に閉鎖した環境で物質を循環させることができたら長期の宇 宙旅行に必要な物資はぐっと少なくて済む。同じ技術を宇宙ステーションに適用すれば、物資補給の頻度を減らすことができる。
 生物も含めた閉鎖空間で物質を循環させるシステムを、閉鎖生態系という。
 あまり知られていないが、日本は、青森県・六ヶ所村に閉鎖生態系試験設備を保有していた。残念ながら予算の関係で昨年度で実験は終了したが、最終的に2名の研究者が4週間、閉鎖生態系の中で実際に生活することに成功した。
 彼らは、宇宙飛行士(アストロノート)に対抗し、自らの事をエコノートと呼ぶ。
 今回は、実際に閉鎖生態系で4週間を過ごした方々をお呼びして、研究の実際と展望をお聞きします。

といっても私も含めて大抵の人は「エコノート」と聞いてもなんじゃそりゃだと思います。青森県の六ヶ所村にCEEFという研究施設がありまして、そこで人間を含めた生活圏を閉鎖して長期運用させる実験を行っています。その閉鎖系で生活する被験者 (兼、研究者をエコノートと呼んでいるのです。

現在のISSIのような宇宙ステーションでは、生活に必要な物資は全て地球から運んでいってますが、例えば、惑星基地のような補給はおろか連絡すら容易ではないところでは、人間が吐き出した二酸化炭素や老廃物を再生して利用する必要があります。はては、食料すら作りだす必要まで考えなくてはいけません。いわば、小さな地球を持ち出すということになりますが、では、どういうものを持っていき、どのような準備をする必要があるのでしょうか。

CEEFは現在、世界でも珍しい完全閉鎖に近い実験を行っている(いた)施設です。主に炭素と水を循環させることを目標としていて、人間2人とヤギ2頭と23種類の農作物がサイクルを作っています。今回はCEEFから日本で4人しかいないエコノートがロフトプラスワンに勢揃いです。

詳しいことはCEEFのサイトを。

閉鎖系実験としては、NASAのバイオスフィアが有名です。が、あれは結局、失敗に終わったらしいです。コンクリートと土壌の微生物が酸素を吸収してしまい、途中で酸素を外部から追加することになってしまったそうです。その反省を活かして、CEEFではステンレスの箱の中で閉鎖系を用意し、栽培はすべて水耕栽培しているそうです。

このようにして作ったミニ地球と、実際の地球の大きな差は2点

  • 微生物がいないため、分解者がいない
  • バッファが極端に小さい

一つめの点は、環境を安定させるために必要ではあるのですが、そのかわりに焼却と化学処理を行うために大量のエネルギーを消費します。また、2点目はどういうことかというと、施設内の機器はどれも広く使われて実績もある技術ばかりなのですが、何らかの原因でひとつの機器が止まってしまう、例えば、廃棄物処理システムが停止してしまうようなことが起きると二酸化炭素の供給が止まり、それが植物の育成に影響し、酸素供給が・・・と循環がすぐに不安定になってしまうのだそうです。実際の地球でもしょっちゅう異常気象が起こったりしているわけですが、系が大きいのでいきなりサイクルが壊れてしまったりはしないわけですね。

また、このようなサイクルを地球は太陽エネルギーで回しています。CEEFももちろん外部からエネルギーを入れてやる必要があります。水・ガスの循環系、廃棄物処理、植物栽培用の照明などなど莫大なエネルギーがかかるそうで、人間二人と山羊二匹のこのシステムでも、中規模の工場ぐらいの電気代を食ってしまうんだそうです。コスト面の問題は実用上はかなり厳しくて、軌道上では問題外で火星探査なんてレベルでも全部の水と食料を持っていくか、循環システムを持っていくかどっちが安くつくかといえば、全部担いでいった方がまだ安いというレベルだそうです。うーん、生態系を持って移動するってのは大変なんですね。ちなみに宇宙での水は貴重ですが、コップ1杯40万円なんて話もでました。うひー

さて、実験中のエコノートの生活は・・・基本的に農作業(笑)。あとは、食事の支度。人が生きていくのって大変です。味噌や調味料や食用油は持ち込んでいるらしいですが、基本的に食べるモノは全て中で育てたもの。といっても、植えて、育てて、収穫までにはタイムラグがありますから、人間が入る前に植えはじめて、ある程度育ったら第2弾、さらにしばらくして・・・と4段階ぐらいの成長度でサイクルするようにしているんだそうで、これをシーケンス栽培と呼んでいます。穀類は米と大豆(というか、枝豆)で、後は野菜。段階育成が可能で、栄養のバランスなども考えられているんだそうです。また、食べる以外にも酸素を作ってくれることが大事ですから、どうしても食卓は緑一色に・・・。また、栄養バランス的に春菊が優れているらしく、1日100gの春菊を食べていたそうです。「一生分の春菊を食べました」だそうです。メニューは決まった時期に限られた材料しか手に入らないなかで栄養士の先生が考えていたんだそうですが、それも大変な仕事です。ただ、非常に強い照明と高い二酸化炭素濃度が植物にとって優れた育成条件であることから、収穫された野菜はとても美味しく、大豆は葉っぱまで養分がいってしまい、農家の人が大豆の葉だとわからないような感じになってしまうんだそうです。

ちなみに、動物性タンパクはなし・・・。ヤギは廃棄物を食べてくれる大事な装置(笑)なので、食べちゃだめ。ヤギの乳も、ヤギを実験中に妊娠状態にできるように飼育するのは大変だから出ません。実験中はやはり体重は落ちるそうです。

さて、いろいろと興味深い話を聞きましたが、今年は予算がカットされてしまい、実験できないんだそうです。なんとか植物の栽培だけでも維持しているというような状況で、「みなさん、是非、偉い人に実験が続けられるようにうったえてください」とのことです

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