マイケル・ジャクソンが死んだ
6/25にマイケル・ジャクソンが死にました。
1987年にアルバム「BAD」をひっさっげて(ソロとして)初来日したとき、来日公演はテレビでも放送されました。母親がそれを録画していて、それを見た私はとてつもない衝撃を受けました。オープニングの"Wanna Be Startin Somethin"から、全曲が私にとってそれまで聴いたことのない音楽でした。
それまでの私にとって音楽といえば歌謡曲だけで、それにもそれほどの興味を持っていませんでした。そんな田舎者の洟垂れ小学生にとっても十分判るぐらいにキャッチーで、ポップで、世界中の誰よりも格好良かったのがマイケル・ジャクソンでした。
私は、近所のレンタルCDショップにいき、「Off the Wall」「Thriller」「BAD」の3枚のアルバムを借り、ひたすら聴きました。そして、マイケルが出るその年のグラミー賞の授賞式がテレビで放送されました。マイケル・ジャクソンはそこで「Man in the Mirror」を歌いました。物凄く格好良かった。そして、そこでホイットニー・ヒューストン、テレンス・トレント・ダービーなどのパフォーマンスを見て、本格的に洋楽を聴くようになったのです。
思えば、その時期がマイケル・ジャクソンの頂点でした。この後、マイケルは迷走し、凋落していきます。目標を失い、自分を見失い、奇行に走ります。私も、他のアーティストをたくさん知り、マイケル・ジャクソンはちょっと「子供っぽい」と思うようになります。「Dangerous」以降のアルバムはそれほど熱意を持って聴いてません。
自分のDVDライブラリの中に、こんなのがありました。これを見ると、とにかくバカバカしい。「Thriller」の頃からそうだったといえばそうなんですが、自分の像の除幕式の映像を作ってみたり、「どんだけ?」という素敵でおバカなマイケル・ジャクソンでいっぱいです。
その中に95年のMTVアワードでのパフォーマンスが入っています。いい加減、落ち目の頃のマイケルですが、そのパフォーマンスはやはり圧巻。そして、その映像を観ていると、約15年後には死んでしまうなんて、とても思えません。
50歳。若い。普通のアーティストならまだまだひと花もふた花も咲かせられる年齢です。若い頃とは違う味を出していける歳でもあります。それほどギラギラとせずとも、暖かい過去の栄光に包まれて凡俗な作品を出して、それにファンも苦笑いしながら付き合って、時々、キラリと光る作品を出してみたりする人はたくさんいます。
しかし、マイケル・ジャクソンにそれは許されていなかったのかもしれません。マイケルがこの後、まともな作品を出せたかどうか、自分の音楽性を切り替えて人生の次のステップを踏み出せたかどうかは疑問です。マイケルは、留まってしまいました。彼が人間であり、生きた男であるかぎり、ずっと留まることが許されない場所に。閉じこめられたと言ってもいいかも知れません。そして、彼はそこから出ることなく、この世を去りました。
私は年老いたマイケルを観たかった。激しいダンスは出来なくなって、声も出なくなって、それでも座ったまま、「BAD」を囁くように歌うマイケルが観たかった。自分の幼い頃の曲をアレンジして、しみじみと歌うマイケルを観たかった。でぶでぶのクインシー・ジョーンズや、ヨレヨレのポール・マッカートニーと、肩を叩きながらトークショーで昔語りをしているマイケルを観たかった。それを観たくないというファンは大勢いると思います。本人もそんな姿は見せたくないと思っていたかもしれません。しかし、いや、しかし。
ありがとう。私に音楽が素晴らしいと教えてくれた最初の人。せめてその最期が安らかであったことを祈らずには居られません。
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Comments
初めて聞いた洋楽がマイケルだったような気がする。
大スターゆえの光と影を見たね。
Posted by: えん | June 28, 2009 at 03:57 PM