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ハーモニー/伊藤 計劃

昨年の「SFが読みたい」で国内1位だった「虐殺器官」は、タイトルといい表紙といい、難しい感じの筆者の名前といい(笑)、イマイチ趣味じゃありませんでした。

が、一転、今作はタイトルといい表紙といい、筆者の名前・・・は同じか。なかなかに興味をそそられます。そこに持ってきて、久しぶりに見たBS週刊ブックレビューで佐々木敦さんが紹介していたのに背中を押されて、購入。他に読む本も溜まってるのにねぇ

さて、高度化した医療とネットワーク社会が過剰なまでに健康を推進し、体に悪いこと(例えば、食べ過ぎだとか、煙草を吸うとか、飲酒とか)は「社会リソースとしての我々の身体を損なう行為」として非難される社会のお話。勝手に不健康になることができない息苦しい社会から少しだけずれて生きている主人公と、それに「自殺」を持って真っ向から立ち向かう少女、そして、さらに過激に健康であることを押し進める人々。我々が健康を損なう行為をするのは、我々に○○があるから・・・物語の結末は、ちょっと切ないです。

それにしても、行きすぎた嫌煙活動やメタボ健診などを見てると、なんだかこの小説の世界を笑えません。デブは医療費高くなるから社会の敵(!)みたいなことを言われるんですが、この高齢化社会において早死にする奴の方が公共の利益に与してると思うんですけどね。長生きしたからといって死の持つ意味が変わるとも思わないし。60歳で死んだら悲しいけど80歳だったらそうでもないとでもいうんでしょうか。私にとってはどちらも遙か先の話だし、それでも80歳までで自分のやりたいことをやり尽くしているとも思えませんし。

それにしても、EMTLなんて架空のマークアップ言語で書いてあったり、ミァハなんて名前が普通の日本人の名前となってる未来だったりと、意外にスタイリッシュな形式にも驚きました。前作の(読んでない段階での)イメージと随分違います。次作も期待です。

(2009/3/24追記:インタビューなどで闘病してらっしゃることは知っていましたが、残念なことに亡くなられたんだそうです。次作は永遠に読めないのです。まだまだたくさんの形になる前のアイデアをお持ちだったことでしょうに。ご冥福をお祈りします)

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Comments

あ~あ また財布が軽くなっっちゃいますよた
これまたなかなか面白そうじゃないですか
でもこんな感じの漫画があった気が
たしかチョコレートアンダーグラウンドだったかなぁ。

Posted by: 涼 | February 12, 2009 at 11:50 PM

チョコレート禁止法ですか。気になってますけど読んでないなあ。面白かったですか?

Posted by: Tambourine | February 14, 2009 at 12:53 AM

原作は読んでませんが
映画でみました
なかなか面白かったです。でもリアリティはありませんでした
チョコを禁止にするのは不可能でしょう
仮にその法案がでたら俺は猛反対です
チョコが禁止になったら俺は死んじゃいます

Posted by: 涼 | February 15, 2009 at 09:42 AM

> チョコが禁止になったら俺は死んじゃいます

と思ってる愛煙家の方も多数だと思いますなあ

私は自分は吸わないんですが、行きすぎた禁煙志向は苦々しく思います。うむうむ

「チョコレートアンダーグラウンド」はチェックしてみますね

Posted by: Tambourine | February 17, 2009 at 01:21 PM

なるほど
チョコが禁止になる可能性はないわけじゃなさそうですね。
あまり考えもせず
リアリティがないとか
浅はかでした

Posted by: 涼 | February 20, 2009 at 07:26 AM

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