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年刊日本SF傑作選 虚構機関/大森望 日下三蔵(編)

大森望・日下三蔵という定評のある「本読み」が編んだSF年刊傑作選。この2007年版が初の試みです。

日本人SF作家の作品が、ここのところ非常に面白いです。急に・・・というわけでもないのでしょうが、大森さんも解説で言っているとおり、円城塔、伊藤計劃という二人の新人が現れなければこの状況もこの本の存在もなかったというわけで、一気にシーンが盛り上がっているわけです。2007年はワールドコンもあったしね。

というわけで、この新たな状況を俯瞰するという意味も込めての2007傑作選。もちろん、大森さんのことなので、「これSF?」みたいなものも織り交ぜているので、ベリーベストってわけではないですが、それも含めて「俯瞰」には成功している気がします。

非常に短いものやエッセイ、萩尾望都のマンガも含んで非常にカラフルなアンソロジーですが、メインディッシュといいますか、ある程度の長さのある短編で読み応えがあったものも多数。面白いです。

小川一水はスピリチュアル・ブームをテーマにしたちょっと辛口な恋愛もの。これ、「世にも奇妙な・・・」でドラマ化するのにちょうどいいような感じですよね。

山本弘は人間の意志についての考察を遺伝病と恋人関係に絡めるという巧みな話。

田中哲弥はヘンタイまるだし。美人はいかに男の敵かって話。私はこれが一番気に入りました

円城塔はいつもの円城塔。ガンマ線をひょいっと避ける微生物のあたりで大爆笑

八杉将司は、イーガンの「ディアスポラ」にでてくるような計算機の中に作られた世界が多世界理論的にバグった話。日本人らしいゆるふわなファンタジー調がむしろ好感

平谷美樹は、人の意思をフラクタルに閉じ込めるという発想を怪奇話にしちゃうところがGood。もっとキャラたてまくりの名探偵ものっぽいミステリーにしちゃってもよかったかも

林 譲治は「ひとつぐらいないと・・・」の宇宙もの。ファーストコンタクト話ですが、シリーズがあるらしいものの一遍。SF大会できいた「人工降着円盤」が出てきて、ああ、これかーと

トリは伊藤計劃。マインドコントロールされた少年兵を平和に戻すために行われる医学的な暴力の話。なるほど、「ハーモニー」とこれとで伊藤計劃がどんな作風かわかってきたかも

という感じで、十分におなか一杯。2008年版にも期待です。年末?出ないと困るので、みんな買おう!

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今日のひとこと(2/27)

糸井   『だれも遊びにきてくれない遊園地』ほど寂しいものはないじゃないですか。

冷泉    誰もいない遊園地をつくっちゃって、そこにたたずんだときの気持ち‥‥

糸井重里と冷泉彰彦(ほぼ日 オバマ大統領の就任演説を観ながら 冷泉彰彦に、なにかと訊く。)

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プチF1モデルブーム

あの頃が異常だったのだといわれればそれまでなんですが、2000年代に入ってF1のキットはさっぱりとリリースされなくなってしまいました。ところが、ここに来てフジミやハセガワから次々に新作キットがリリースされました。それも1/20で!これは、ちょっとした「第三次ブーム」なんじゃないの?というのが、今月のモデルグラフィックスの特集です。

でも、フェラーリばっかり・・・。それも126とか312とか走ってるの見たことないし。641もね・・・私、91年からしか見てないのね。

ところが、フジミの新作は248!

・・・いやあ、ここまで3ケタの数字ばっかりでなんのこっちゃさっぱりわからないでしょうね。とりあえず、Amazonでいっこ購入。箱開けて、「うわぁ」って言って、閉じるかもしれませんけど(笑)

新しいキットが出ないのは残念ですね。しかし、あさのさんの記事を読むと、やはりF1が「商業化しすぎた」ことが原因みたいです。フジミからフェラーリのキットしか出ないのも、タミヤが新作を出さないのもそのせいだと。うーむ・・・。今回の経済危機で、むしろF1が昔の姿を取り戻してくれることを祈っちゃったりする今日この頃です。

話は変わっちゃいますが、この号から宮崎駿監督の新連載がはじまってます。それも、零戦の父、堀越二郎の話をマンガにしてくれるらしい。出来も期待を裏切らないものです。もうね、ぶっちゃけアニメなんて作らなくて良いから、ずっとコレをやってて欲しいです。

あと、広告で「大河原邦夫画集 機動戦士ガンダム 原点継承」なんてのが出るらしいことも知りました。これも買っとくでしょ

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最近買った雑誌、マンガ

はてなの話はなかなか面白いっすな。Webサーバは割とイージーに水平にスケールできるけど、DBは問題になります。で、Viewを捨ててテーブルごとに分割って話なんですが、スケールするDBってものをちゃんと考えるのが大事なのかも・・・

というか、どうも私はRDBってものが本質的に分散指向じゃないところがよろしくないもののような気がするんですよね。

えらくいろいろと書きたいことがあるので、次のエントリで書きます

DVDはいらない・・・

なんかずっと読んでるような気がしますが、まだ26巻目。ここにきて、クロノスも涙目の新たなる敵登場・・・って、ここからまだまだ風呂敷を広げるのかな。ちゃんと終わるんでしょうか?

「18禁じゃないエロマンガ」というジャンルですかね?新ジャンル・・・ってこともないか。このジャンルって他にどんな作品があるかなあ・・・

「16歳の女子にエロい言葉をいわせちゃいけないっていう法律があるか?」

「・・・・ない・・かも・・」

ないのかな?

浦沢直樹って凄い面白い人だと思います。作品より面白い

QJって所々面白そうなのに、なぜかトータルするとキライ。同じ感覚になる雑誌として、テレビブロスがあります

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優しい嘘

大人ですから、時々優しい嘘をつきます。

隣の席の女性が、お土産をくれました。

「伊豆の温泉いってきました。近くの金山のお土産のチーズケーキです。金箔入りですよ~」

-ありがとうございます。大好物ですよ、金箔

「・・・嘘つきっ!

なぜそんな軽蔑したような目で私を見るんでしょう。大人の優しい嘘じゃないですかねぇ

ちなみに、チーズケーキはとても美味しかったのですが、黄色いものに金粉振りかけてもあんまりありがたみは無いように思います。

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今週はBSアニメ夜話 第12弾

今週はBSアニメ夜話の第12弾の放送があります

BSアニメ夜話

本日の夜から3夜、「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」「海のトリトン」「攻殻機動隊 Stand Alone Complex」です。

さて、こういうのは予習しておかないとつまらないです。でも、「攻殻SAC」しか見てません。

Gガンで今川艦長の演出が大好きになった私なので「Gロボ」は気になっていた作品です。が、見てません。もともと横山光輝成分があんまりないのです。

そういえば、今、取り上げられるのはキアヌ・リーブス主演の「地球が静止する日」のリメイクに乗っかったんでしょうか?んー、偶然かも(笑)。これは、バンダイチャンネルで観られます。が、7本観るのは結構大変だぞ

「トリトン」は、富野監督の初監督作品で、かつ「皆殺しの富野」の原点(笑)とよく引き合いに出される作品ですよね。以前、岡田斗司夫さんがトークライブで「富野監督を御大と呼ぶぐらいなら、イデオンぐらい観ておけ」と言ってるのを聞いて、「イデオン」に挑戦し7話で挫折した私ですが、教養として観ておきたい気も。でも、BIGLOBEで配信していたっぽいんですが、配信終了って書いてありますね・・・。

お金払えば観られるんでしょうか?観られそうな雰囲気はありますが、第一話は無料配信されていた関係上、だめっぽ?そんなぁ。

さすがに27本観るのはイヤなので、誰かオススメを5話ぐらい教えてくれないかな(笑)

「攻殻SAC」は私は大好きな作品です。これも観ると大変ですが、逆にこれはオススメの回を紹介できますよ。1話「公安9課 SECTION-9」、2話「暴走の証明 TESTATION」、9話「ネットの闇に棲む男 CHAT! CHAT! CHAT!」
20話「善悪の彼岸 EQUINOX」を観れば語れます。笑い男事件は全話見てても複雑なので、エッセンスを知るには9話、20話でいいと思います。まあ、20話見ちゃったら先が気になりますけどね(笑)。

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GIRLS' ROCK ~Tiara~ / デーモン小暮

デーモン小暮閣下が女性ボーカル曲をカバーする企画の第3弾。デーモン閣下は多彩な方なのですが、この企画はレコード会社の移籍を機会に「ボーカリスト」としての閣下の魅力を全面に出そうとはじまったものです。そのためには、あえて"カバー"が適しているだろうと言うことになったんですね。

その第1弾の「GIRLS' ROCK」は、大変興味深いながら選曲が聖飢魔IIがばりばり活躍していた時代で、かつ、まさにロックチューンが多かったので、「うむ、やっぱりデーモン閣下は上手いなー」とふつーに聞けてしまっていました。

第2弾は洋楽のカバー曲のカバーというコンセプトだったんですが、ちょっと選曲がありゃ?な感じだったので、スルー

そして、第3弾は当初のコンセプトに近いものに戻りました。今度は選曲を「ヒットした曲」というところにしたことで、「この曲をデーモン閣下がどうアレンジしてくるのか」という楽しみがもっと全面に出てきました。ジュディマリの「そばかす」、中島みゆきの「地上の星」、リンドバーグの「BELIEVE IN LOVE」、globeの「DEPARTURES」なんかが、ガリガリのヨーロピアン・ハードロックになっているのは驚きです。もともとのロックなナンバーはある程度予想がつきますからね。

初回のDVD付きには、閣下が自ら全曲を解説する「GIRLS’ ROCK ~Tiara~ がよくわかるDVD」が収録されていて、これが楽しい。これ、そのままニコ動とかで流しちゃえば売り上げに貢献すると思うんですけど。


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テレビのレベルが低すぎる

中川財務大臣がヨッパラって記者会見してクビになりました。なかなかの衝撃映像です。ひさしぶりに目がテンになりました。

テンです。可愛い目ですね

しかし、あんな面白いネタがありながらTVのニュース番組の扱いはつまらなさすぎる。ネットには財部誠一さんが真っ当な論考をしてらっしゃいます。

中川財務相辞任騒動の裏で記者クラブは何をしていたのか

うむ。大人はここまで考えたいです。例えば、私が上司と飲んでいて上司が中川さんぐらい酔っ払っていたとしましょう。そこへお客様から電話があって、「ちょっと来て欲しい」となればそれはなんとか理由をつけて止めます。それをあえて出すってことは、腹に何かあったと勘ぐられても不思議じゃない。

中川前財務相、会見前に美人記者と酒

でも、この記事のヘッドで「美人記者」というのが強調されてましたが、ようするに記者と飲んでいたってわけですよね。そりゃ、あの記者会見で「お前、酔っ払ってるのか?どういうつもりだ」というツッコミが出ないのも納得です。

結局のところ、ああいう映像が出てしまうということは、大臣に問題があるのは第一として大臣も含めたある種の「仕組み」が腐っているということなわけですよ。いかな大臣とはいえ、この日本社会で所詮、人一人の持てる力なんてたいしたことがないというのは、会社人ならよくわかっていることでしょう?まあ、何かあったときに一人に責任を押しつけてどうにかしようとするという組織の論理もよくわかっていることですが、それでは本質の問題は解決しないわけですよ。

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2/22の文化系トークラジオLifeのテーマは「草食系男子の本懐」

今月の文化系トークラジオLifeのテーマは「草食系男子の本懐」。予告編がかなり盛り上がってますが、どうなることやら。久しぶりに私もメールを出してみることにしました。

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埼玉に引っ越してBGM付きのLifeが聞けるようになったタンバリン(♂33)です

草食系男子、つまり恋愛に消極的な男子・・・と聞いてもピンと来ません。

なぜなら、古来、男子が恋愛に積極的だったことなんてないと思うからです。
そもそも、男は恋愛ってなんのことだかわかっていません。

女の子には「彼が出来たら、一緒に○○に行きたい」とか
「一緒に○○出来る彼が欲しい」とか具体的なイメージがあるようですが
男に聞いても大抵、具体的な発言は出てきません。

というのも、ここからかなりピュアハートで恥ずかしい発言になりますが
男の恋というのは、つまるところ「意中の女の子の笑顔が見たい」という
ただそれだけのことだと思うのです。
さらに、その笑顔を引き出したのが自分で、
もっと言えばその笑顔が自分だけに向いていたら、最高です。死ねます。

だから、「○○に行きたい」じゃなくて「喜んでくれるところに行く」だし
面白い話もしなきゃと思うし、果ては道化にもなるわけですよね

よく女の子が「男なんて、結局、ただ笑ってるだけのバカな女が好きなのよ」と
言いますが、そりゃ一生懸命、笑顔の為に努力して疲れたところに
ただ、ぽかぽかと微笑んでる女の子がいたら、
そっちにぐらっとくるってもんです

この話と性欲が絡み合うとすこし行動様式が複雑になりますが、
簡単にしちゃえばそういうことです

で、これがつまり、男が2次元にのめり込める理由でもあるわけです。

性欲を別な手段で満たしてしまえば(二村さん、お世話になっております!)
「笑顔が見たい」という欲求は、ギャルゲでかなりイケます
だって、絶対にモニタの中の笑顔の原因は自分で、自分に向いているのです

・・・というわけで、いわゆる「草食系」というものの成因を
男の二つの欲求に対する「バーチャルな手段」の登場に
みることができるかもと思いました

P.S. 要するに、男も女も勝手ってことです。すりあわせ、すりあわせ・・・

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仕事道楽 スタジオジブリの現場/鈴木敏夫

女性というのは通販が好きですね。別に悪いとも思いませんが、Milueに毎月送られてくるフェリシモさんのダンボールには、フェリシモさんが毎月「これ読んだらええんとちがうの?」と勝手に選んだ新書が2冊含まれていると聞いたときには大変驚きました。

ええ、私はそんなことしてもらうまでもなく、読みたい本で家が溢れかえってますからね。とっても余計なお世話です。

そんなフェリシモさんセレクションの1冊ですが、面白そうだったので横からかっさらいました。いやいや、その積読はどーすんだよ>僕様ちゃん

というわけで、アニメファンには有名人。ジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、これまでの仕事を振り返るお話。これが岩波の赤本だってんだから世も末ですが、普通にエッセイとして面白いです。

というか、鈴木さんはかなりまともな普通の人だと思うんですが、なんせ偉大なクリエイターってのは変な人ばっかり。特に、アニメ界の巨匠といえば、富野由悠季も、庵野秀明も、押井守も、どの人もどーかんがえても頭がおかしい人達です。そして、宮崎駿もご多分に漏れず・・・というか、真骨頂というか、ヘンな人。そんなヘンな宮崎駿の話がいっぱい出てきます。他にヘンな人がたくさん。とにかく、苦労してるんでしょうねえ、鈴木さんは(笑)

読みどころは、やっぱり高畑勲と宮崎駿との関係です。どうして宮崎駿が「ポニョ」のような映画を作らなきゃいけなかったのかの一端というのは、ひとつに高畑さんの影響から抜け出したいからなんでしょうねえ

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狼と香辛料X/支倉凍砂

狼の骨を巡る寄り道篇も、いよいよ海を渡りエーヴの故郷、ウィンフィールへ。

ところが、島国ウィンフィールは景気対策が大失敗で大不況。狼の骨を買ったと噂されるブロンデル修道院は財政難でハゲタカファンドに食い荒らされている・・・という、なんだか我が身を省みて笑えない状況(笑)

国家と教会と大企業が噛みつきあう状況に、ケルーベの教訓から「危うきに近寄らず」を決め込むつもりのロレンス達でしたが、今回もまんまと巻き込まれることに。ただ、大きな力に翻弄されるばかりだったケルーベとは違い、今回のロレンスはちょっと格好いいです。

人ならざるものとの儚い関係。剣をペンに持ち替えての激烈な戦い。そして、ホロとロレンス、あるいは魅力的な登場人物たちとの会話の妙。今回は、このシリーズの良いところが全部出ているお話です。支倉さんも迷いなく読者を楽しませようとしている気がします。それにしても丁々発止のやりとりで、絵にしたら立って話しているだけの地味な物語をこんなに盛り上げてしまうのはすごいなあ。

「では、そういうことで」
その一言が、ロレンスを商人に変える。
契約の僕にして貨幣の虜。
そして、人の世を裏から操る、陰の王の一族だった。

ここからラストまでの100ページあまりの緊迫感は素晴らしいです。

そして、ラストではついに寄り道は終わりだと知らされます。ホロとロレンスの進む道が離れる日が来ることはわかっていますが、ここしばらく二人はそこから目をそらし続けていました。ついにそれもできなくなるのか・・・ああ、次巻が気になります。

そして、夏からはアニメ第2弾。個人的には3巻のアマーティとのホロの恋心を巡る仕手戦が一番好きなので、とても楽しみです。ホロとロレンスのじれったいやりとりでテレビの前の我々をおもいっきり身もだえさせてくれるでしょう(笑)

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SFが読みたい!2009年版

今年の表紙も「今日の早川さん」です。やはり、女の子はむちむちに限ります。

それはさておき、昨年のベストSFが発表に。ランキングは是非、お手にとって確かめてください。

で、眺めてみると、国内篇のトップ10は割と馴染みがあるラインナップ。貴志祐介「新世界より」、円城塔の「Boy's Surface」「サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ」は読みました。山本弘「MM9」、小林泰三「天体の回転について」、小林一水「フリーランチの時代」は購入済で積読。読まなきゃ。で、舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日」は多分読みます・・・って感じです。

反対に海外篇は今年は一冊も読んでません。ウィルスン、プリースト、レナルズあたりの有名どころは気になっていますが・・・どちらかというと、ここしばらくは日本の作家の方が面白いものを書いてると思うんですよね。

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ハーモニー/伊藤 計劃

昨年の「SFが読みたい」で国内1位だった「虐殺器官」は、タイトルといい表紙といい、難しい感じの筆者の名前といい(笑)、イマイチ趣味じゃありませんでした。

が、一転、今作はタイトルといい表紙といい、筆者の名前・・・は同じか。なかなかに興味をそそられます。そこに持ってきて、久しぶりに見たBS週刊ブックレビューで佐々木敦さんが紹介していたのに背中を押されて、購入。他に読む本も溜まってるのにねぇ

さて、高度化した医療とネットワーク社会が過剰なまでに健康を推進し、体に悪いこと(例えば、食べ過ぎだとか、煙草を吸うとか、飲酒とか)は「社会リソースとしての我々の身体を損なう行為」として非難される社会のお話。勝手に不健康になることができない息苦しい社会から少しだけずれて生きている主人公と、それに「自殺」を持って真っ向から立ち向かう少女、そして、さらに過激に健康であることを押し進める人々。我々が健康を損なう行為をするのは、我々に○○があるから・・・物語の結末は、ちょっと切ないです。

それにしても、行きすぎた嫌煙活動やメタボ健診などを見てると、なんだかこの小説の世界を笑えません。デブは医療費高くなるから社会の敵(!)みたいなことを言われるんですが、この高齢化社会において早死にする奴の方が公共の利益に与してると思うんですけどね。長生きしたからといって死の持つ意味が変わるとも思わないし。60歳で死んだら悲しいけど80歳だったらそうでもないとでもいうんでしょうか。私にとってはどちらも遙か先の話だし、それでも80歳までで自分のやりたいことをやり尽くしているとも思えませんし。

それにしても、EMTLなんて架空のマークアップ言語で書いてあったり、ミァハなんて名前が普通の日本人の名前となってる未来だったりと、意外にスタイリッシュな形式にも驚きました。前作の(読んでない段階での)イメージと随分違います。次作も期待です。

(2009/3/24追記:インタビューなどで闘病してらっしゃることは知っていましたが、残念なことに亡くなられたんだそうです。次作は永遠に読めないのです。まだまだたくさんの形になる前のアイデアをお持ちだったことでしょうに。ご冥福をお祈りします)

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MilueのXminiが羨ましい

Milueは私と結婚するまではソフトバンクユーザーで、親と支払いを統一してました。つまり、全然ケータイ代を払ってません(笑)。未だにそれが続いているので両親に不評でした。

更に端末もかなり前のもので、11階の部屋から通話してると突然ぶちんと切れたりします。引っ越屋や電話工事の人も意外にケータイの電波が入らずに苦労してたりしましたが、私のauの端末(W53S)は問題ありません。ソフトバンクの電波が調子よくないのか、端末がもうヘボまっているのかはわかりませんが、たぶん後者でしょう。

というわけで、機種変も兼ねて私との通話を無料にすべくMilueがソフトバンクからauへMNPすることに。どう考えてもケータイのアドレス帳のアクティビティは私よりMilueの方が高いので「ケータイのメールアドレス変わるの大変じゃない?私がソフトバンクへ移ってもいいよ。そのあかつきには、私はiPhoneにす・・・」と提案しましたが、iPhoneはホワイトプランに入れないことを理由に即時却下されました(笑)

ケータイの契約が父親名義になっていたため、MNPするときにソフトバンクとauの両方で委任状と父親の身分証明書が必要になったりとごたごたしながらもなんとかMNPは完了。端末はやっぱり小さいのが正しいというわけで、2009春モデルを軽くスルーしてXminiを選択。

これが、触ってみるとかなり可愛い。タッチパネルも浮き出てくるボタンイメージもいい。欲しいです。機種変で2万円チョイ。うーん・・・

ただ、音楽はiPodで聞くから要らないんですよねー。そして、GPS無いんですよねー。う~ん・・・

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東映チャンネルでクウガが放送

ディケイドの3話は割とよかったですね。2話がなんかグダグダ(というか、主役の頭がおかしい)だったので悲しんでましたが、3話でカッコつけてくれたのでまあ、なんとか許容点。お金がかかってることはよくわかりましたが、クウガがゴウラムに「超変身」するところは、ちょっと(残念な意味で)泣けました。

さて、こないだクウガが大好きだという信仰告白をしたところ、はてブなどで「呪われた。TSUTAYA行ってくる」などという素直な反応をなさった方がいてとても嬉しいです。しかし、それなりのヒットしたとはいえ、本放送から10年が経過し、その後のライダーとイケメンが溢れんばかりのシリーズに比べ地味な面が否定できないシリーズですから、「見たくても見られない」という人も多いと思います。悲しいです。

と、そんなところへCSの東映チャンネルで放送が始まりました。・・・いやあ、東映チャンネルを見られる方がどれぐらいいらっしゃるのかはわかりませんが、スカパーが見られる方は大丈夫。でも、有料です。すぐに申し込みましょう。

東映チャンネル TV特撮『仮面ライダークウガ(超古代語対訳版)』放送スタートのお知らせ

2/3から放送が始まっていて、第1回は・・・2/12(木)が最後の放送です。急いで申し込むんだ!

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池袋ジュンク堂は、ステキだった

それはそれとして、artonさんが

池袋ジュンク堂は、本を読む人の天国みたいな場所だから、一歩足を踏み入れたら最後、数時間は戻って来られないので、まだ行ったことが無い人は、この機会にぜひどうぞ。

書いていた通り、素敵なところでした。

トークショーまでの時間に、とりあえず6階をウロウロしてみたんですが、こんな本を見かけて即ゲット

なんで私がこの本の存在を店頭で知るのか、社内の情報の展開についてヒジョーに疑問を持つ今日この頃。しかし、青い本と緑の本に加えて、AIX遣いには凄まじく役に立つ本です。家と会社とお客様先とマシンルームのラックの中の4箇所に置いておくべき本。これで飯くってんだもんなー

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Javaの掟 Rubyの掟

池袋ジュンク堂のトークセッション「Javaの掟 Rubyの掟」を聞いてきました。

内容はたぶんそのうちニコニコ動画にでも上がるんじゃないかと思いますので、感想メインで書き連ねます。

まず、「コーディングの掟」の話。やっぱり盛り上がったのはバージョン管理の話。artonさんが「意外と使ってないところあるんだよ。(プロジェクトの)人数が多ければ多いほど使ってない場合が多い」という話をしてました。私もそれは実感があります。それは、要するに人数が多いほど単一の文化を浸透させるのが難しいってことに他なりません。

「書いたらコミットしてくださいよー」ぐらいまでは何とかなっても、ブランチとかリリースとかの文化は厳密にはプロジェクト依存になるのでなかなか・・・。台帳管理なんてのも結構あるよとartonさんが言って、周囲がびっくりなんて感じでしたが、私にとっては普通です(笑)。リリース管理台帳のExcelからcvs rtagを打つRubyスクリプトとか書いてますし。るいもさんがどういうことから台帳管理になるかという話で「リリースをミスってお客様に謝るときの"歯止め"として言い易い」というのは納得です。ついつい、ミスの防止策を「手順書作る」っていうのと「台帳管理する」ってのにしちゃうんですよね・・・

次に、「Ruby(1) はじめてのプログラミング」の話。この本はそもそも、「コンピュータって何?」っていう人がRubyを最初の言語としてプログラミングを学ぶというコンセプトの本。同時に「PHP版」と「Javascript版」もあるらしいです。「C版」も出るという噂が・・・。というわけで、artonさんとるいもさんがこれまでの初心者本の不満点を解消し、「このぐらいは常識としてしっとけー」と思いの丈をぶつけた本。なので、タイトルに「Ruby」とデカデカ出ているのに80頁目ぐらいからやっとRubyのインストール(笑)。そういう意味で型破りですが、artonさんは「これをやるためには、これを説明しとかなきゃいけない。でも何もかもいきなり説明してもわからない・・・」というのをパズルのように組み上げているわけで、たぶんそれはなかなか楽しいことだと思いますけど、まあ、大変ですよね。

思えば自分はそういう地味な話は何で覚えたかというと、私、大学の時になんとなくで情報処理2種試験を受けてるんですよね。その時の参考書を最初から最後までざっと読んで、それだけです。後は、当時「ざべ」とか「Cマガジン」を読んでいてちょいちょい拾ってるぐらい。ちゃんとした教育は受けてません。でも、逆にそれぐらいで十分だったような気もするんですよね。

最後に、高井さんがJRuby部分を補完したという「JavaプログラマのためのRuby入門」について。私は母国語がRubyでJavaは文法ぐらいは頭に入ってるけど日常会話にも事欠くというレベルで「RubyからJavaへ」が欲しいんですが、この本は実は、「Rubyではこう書く。Javaで同じことを書くとこうだ」という順番で書いてあるので、Rubyistの私が読んでもすごく勉強になります。

私は最近はRubyしか書かないので、空気を吸うようにイテレータを使いますが

def block_arg(x, &proc)
  proc.call(x)
end

block_arg('hello') do |x|
  puts x + ' world!'
end

をJavaで書くと、

interface Block {
    void call(String x);
}
static void block_arg(String x, Block b) {
    b.call(x);
}
public static void main(String[] args) {
    block_arg("hello", new Block() {
            public void call(String x) {
                System.out.println(x + " world");
            }
        });
}

だという部分とか、ものすごーく勉強になりました。でも書ける自信がないっす(笑)。というか、後者を書いてまでブロックを渡したいと思うかってことですよねえ・・・

ダックタイピングやmix-inの説明のところで

この例から、Rubyのプログラミング言語としてのパワーに比べて、Javaで同様のプログラムを開発するには設計力が要求されることが理解出来ると思います。逆に、ここで示したようなRubyの実装からJavaプログラムの設計へ落とし込みができれば、プロトタイピング言語としてRubyを利用し、プロダクト言語としてJavaを利用することも可能となります。

と書いてあります。

ホワィの(感動的)Rubyガイドで、「これはもうプログラミング言語じゃなくて、プログラマ言語だ」というくだりがありますが、RubyのRunableな仕様記述言語の可能性というか、Ruby脳だから有り得る理想的な設計とか、そういうものまで感じます。Lisp遣いの皆様には単に「視野を広くできただけじゃん?すべてLispにあるよ」ということになるのかもしれませんが(笑)

私は先日書いたみたいに、Cを勉強してC++がなんのこっちゃわけがわからずに、Delphiでやっとオブジェクト指向(で作られたクラスライブラリってどんなのか)を理解したんですが、Rubyをやって初めてオブジェクト指向のありがたみが本当の意味でわかりました。でも、単にRubyが協力にオブジェクト指向を体現する言語でRubyだけで考えていればオブジェクト指向が単純に見えるからわかったような気がしていて、Javaのような言語でオブジェクト指向で設計するというレベルは全然わかってなかったんだなあと思ってしまいました。

高井さんが、Javaの人がRubyのプロジェクトをやっても「わりとイケる」という話をしてましたが、そりゃそうでしょう。Rubyなんかより、よっぽどJavaの方が難しいってことですよね。

というわけで、思いの外(と言ったら失礼ですが)、この日紹介された本の中では「JavaプログラマのためのRuby入門」が面白かったです。

トークセッション全体も和気藹々で楽しかったです。また、機会があったら参加してみたいですね

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つぶつぶキウイポッキー

新発売らしい。これ、好きです

でも、すぐなくなっちゃいそうだから20箱ぐらい買い占めておこうかなあ・・・

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はずみって怖い

artonさんと宇野るいもさんの本を買おうと本屋に行ったら、つい、買い込みすぎました。大散財大会。

Javascriptの本をやたら買い込んでるのは、Webのクライアントサイドに対する理解が相変わらずさっぱりさんだから。まあ、大体どういうことができるのか概念は理解してるつもりだけど頭の中で手法まで落ちてません。ここは深入りするとすぐに「IEではこうですが、Firefoxではこうです」といういきなり実装というか、BKな世界になっちゃうんですがそこには行きたくない気がしてます。そういうのはなんか例えばPrototyle.jsが吸ってくれてその後だけ触りたいというか(笑)。仕事でそこまでつっこむ気はないし。

逆に言えば、ひとつJavaEEのプロジェクトに(インフラだけど)じゃぼんと入ったこととRailsをちょっと勉強したことで、サーバサイド側でできることは見えた感じがあります。見えたというのは、DB設計と画面数がCRUDごとにあれば何がどのぐらいの労力でやれるのかというのが感覚として持てたということです。もちろん、細かいことで行き詰まることはいろいろあるんでしょうし難しい機能、簡単な機能いろいろだと思いますが、そういうのは設計が悪いか、そもそも業務がおかしいのかですよね、大抵は(笑)。

それはやっぱりRailsの影響が大きくて、「要は、Railsが機械的にやっていることを現実と摺り合わせてどうやるのよってことなんだよね?」ってことですよね。それぐらいRailsの設計は素晴らしいし、Railsがやってることを見れば「Webアプリの本質」が見えるってことだと思います。

で、業務がすごく単純で、DB設計が素晴らしい場合にはRailsでscaffold作ったところまでで本質が終わりで、後はバリデーションとか認証とかデータの関連とか些末で、かつ大変なところをちまちまやりましょう・・・というところで残るのは画面です。ここでどれだけのことが出来るのかが、イマイチ実感としてわかってないんですよね。今、私の興味はそこです。

もう一つ言えば、上の前提には「DB設計が素晴らしい」という条件もあるわけで、DBもやってみたいです。これまでの仕事で、DBサーバを作ったり、動かなくなったのをひっぱたいたり、耐障害設計や回復設計をやったり、メモリ周りのチューニングをやったりというのは一通りできるようになっています。でも、私、インデックス張ったことありません(笑)。DB設計と、あと、SQLは今後の課題です。SQLはどこまでつっこんでいくべきか悩みどころです。

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コーディングの掟/arton, 宇野るいも

artonさんに昼の宇野るいもさんに助けてもらった話を書いたら、artonさんのブログからリンクされてしまいまいした。「ファンです」と書いたエントリなのでちと恥ずかしい。

そのエントリにはartonさんとるいもさんのコンビで書かれた数々の本が並べてありました。artonさんの本はRailsの本やC#の本(眺めただけだけ)は買ったことがあるのですが、もちろんるいもさんと組む以上はJavaの本なのです。

とはいえ、最近は自分がインフラとして保守で関わっているアプリケーションのメモリアロケーション時のスタックトレースから遡って

String str = "";
Iterator hmit = hm.keySet().iterator();
Object obj;
while(hmit.hasNext()) {
    obj = hmit.next();
    if(hmit.hasNext()){
        str += "'" + obj.toString() + "',";
    }else{
        str += "'" + obj.toString() + "'";
    }
}

のようなアポなコードを見つけて鉄槌を下す(自分では直さない。なぜなら私は(少なくとも、公式には)Javaが書けない人だから)というようなのが仕事だったりするので、Javaを全く知らないというのも許されません。

でも、Cでプログラミングとメモリ操作について学び、VB2でGUIプログラミングに触れ、Delphiで本格的なオブジェクト指向と(VCLで)クラスライブラリの設計について学んだ末に、1.4の時代からRubyistになった私にとって、JavaはシステムプログラミングをするにはCに及ばず、GUIを作るにはVBに及ばず、言語とクラスライブラリの美しさでDelphiに及ばず、生産性でRubyと勝負にもならないという「学ぶ気ゼロ」言語だったりするわけです。何せ、上のコードはRubyで書けば

str = hm.keys.map{|a| "'#{a}'" }.join(",")

で終わってしまうわけで、なんでわざわざやりづらい方法を学ぶのかと。

と言いつつ、素のJavaはともかくServlet(というかJavaEE?)とJDBCはやはりメリットの多いシステムだと思います。Strutsも加えてもいいかもしれません。こいつらはちゃんと勉強しないとなあと思ってます。

というわけで、この機にお二人の本を・・・といいつつ一番楽しく読めそうな「コーディングの掟」を読みました。とにかく、

例外とマルチスレッドは(いろんな意味で)難しい

ということはよくわかりました(笑)

参考になったのは、Servletを使うからにはマルチスレッドにならざるを得ないよという辺りです。マルチスレッドを意識するときには、スレッドセーフであるとか、同期だとか、ロックだとかをうんうん考えるより、そもそもオブジェクトのスコープをちゃんと意識するということが大事だというのは、目から鱗です。Servletにおいて、「ThreadLocal=スコープがリクエスト単位」というのはちゃんとわかってませんでした。

Javaアプリケーションサーバの世界においてスコープを考えると

  • アプリケーション全体
  • サーバ
  • セッション
  • リクエスト

のような、Webアプリケーションとして自然なスコープがあるはずで、それとJavaのコードがどう対応するのかきちっと理解できていないなあというのが感想です。アプリケーション全体はDBで永続化されるべきで、セッションはセッションオブジェクトだから明確ですが、残りをどこに記述しておくのが正しいのか、どこに書かれる可能性があるのかは整理されていないと困りますよね。

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日本の「安心」はなぜ消えたのか/山岸俊男

ほぼ日の「やっぱり正直者で行こう」を読んで興味を持ちました。

やはりしっくり来るようなものというのは、うすうすみんなが感じているものの言語化だったりするわけですが、ここで語られているのは、

  • 「集団主義」は「安心」を基盤にしている
  • 「個人主義」は「信頼」を基盤にしている

という対比であって、その差は道徳によるものではないということです。そして、今、日本は「誰でも周囲の人を知っているという安心に支えられた閉鎖的な社会」から「見知らぬ人をまず信頼するところから出発する都会的な社会」へ移行しているというと言います。

ところが、この差を「昔の日本人は品格があった」などのモラルの問題で語る人が多いけど、それは単に社会への適用の差であって、その人がいい人か悪い人かということとは何の関係もないんだよということを、心理学の実験を交えて書いてあります。

それにしても、心理学の実験というのは不思議なものですね。どんなにその結果が意外であったとしても、実験対象は自分(が持っているものと同じ人間)の心なので、なんとなく自分の心の中で検証できてしまうような気がしてしまいます。おそらく科学的には全然正しくないんだと思いますけど。

この説明を通して、いじめの問題、日本人らしさ(滅私奉公、集団主義など)の問題、相次ぐ企業の不正の問題、KY(空気を読む・読まない)の問題について分析していきます。ひとつひとつの話は納得できるし、あえて言うならば「当たり前の話」に見えなくもないんですが、ではこれを前提に社会システムができている必要があるというレベルになると、うっと詰まってしまうものがあります。

そして、最後に「モラルハザード」の話になります。今の日本ではこの「安心社会」と「信頼社会」の二つの相反するモラルが至るところでせめぎ合っています。自分の所属する集団を守る倫理か、それを越えた社会を支える倫理か。この二つは相反するのだという認識を持っていないと、常に都合のよいように二つの倫理を使い分けて、結果としてモラルも何も無くなってしまうのではないかという危惧を提示してます。うーむ、ここまで明確には認識してなかったなあ

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新世界より/貴志祐介

2008年の日本SF大賞。今は本屋大賞のノミネートになって、この美しいカバーに赤い○の醜いシールが貼ってあります。本屋の立場でそんなこと考えるなんて・・・死ねばいいのに。

SF読みであれば、冒頭から描かれている世界が何かカタストロフィがあり、一度人類が滅びかけた未来の日本であることがすぐにわかります。そこで数を減らした人類は、蘇った自然と共存し、今の我々と大差のない生活を送っているように見えます。ただ、村の外にでることは禁忌とされ、外には私たちが知っているのとはすこし違う生き物がいます。日本の生物圏がこれほど変わってしまうなんて、どれほど未来のことなのでしょう・・・?

まず、この本を通じてはこの世界の秘密が大きなテーマになります。読み進めていき、主人公達が何もしらない子供から青年、大人になっていくに従ってこの世界の秩序の仕組みが判明します。そして、その秩序と繁栄の基礎となっているある秘密と最初に少年達は冒険の末に出会う・・・

いや、とにかく面白い。これは凄い。まあ、厚さも凄い(笑)

「今日の早川さん」のCocoさんも、レビューを書いてらっしゃいますけど

読み手の興味の対象如何でいかようにも深く読み込めるものとなっているが、表面上の物語だけでもここ最近他に比較できるものがないほど面白かったこ ともまた確か。物語に食われてしまうかのような、ひたすら先へ先へと追いやられるこの感覚を味わったのは随分久しぶり。そして待ち受けるラストでの、感情 が色彩と音を伴ってぐるぐる回る大渦巻きといったら、もう…。

とまあ冷静を装って書いてはみたけれど、誰も見ていないところで正直に書くとしたら…

うっひょおぉぉぉぉ!めちゃめちゃ面白~~ぇぇぇぇ!みんな読め!今すぐ読め!

こんな感じ。

うん。そんな感じ。みんな読め!

とはいえ、500頁越えが2冊の単行本を読むのは辛いです。というわけで、こないだ少し書きましたけど、私はScanSnapで読み込んだPDFファイルをトリミングしてJPEGでエクスポートしてPSPに入れて読みました。これで通勤でも読めます。こんな感じです

P1010571 液晶部分に光の加減でへんなモアレが出ちゃってますけど、肉眼では見えません。意外と読めるものです。アナログキーでスクロールと拡大もできるのですが、あまり実用的ではないです。それよりはぴちっとトリミングするほうがベターです。PSPぶらぼー

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チェ 28歳の革命

チェ・ゲバラって有名な人らしいですが、私は全然知りませんでした。文化系トークラジオLifeの特番で取り上げられていたので観てきました。

んー、ピンとこないです。「チェ 28歳の革命」では、チェ・ゲバラが革命を志した同士と共にメキシコからキューバへ渡り、ゲリラ戦の末に戦いに勝利するところまでがドキュメンタリータッチで描かれています。実際にチェ・ゲバラがその過程でどんなことをしていたのかがわかります。

医者として負傷者を手当てするゲバラ。銃を撃つゲバラ。リーダーとして隊を率いるゲバラ。脱走兵に厳しく接するゲバラ。志願者たちに「銃は持っているのか。読み書きは出来るのか」と問うゲバラ。寸暇を惜しんで小さなメモ帳に日誌を付けるゲバラ。

ただ、もともとキューバ革命やカストロやゲバラについての知識がない私にとって、そもそもキューバの何を変えたくてゲバラが戦っているのか。何がまずくて、それに対して何をしようとしているのかが何もわからない映画になっています。しかし、そういうことを描くことは「ゲバラに正義がある」というある種の価値判断の示してしまいます。おそらくはそれを避けるためにこういう形になっているのだと思います。このエントリの写真はYahoo 映画から持ってきたんですが、この国連での演説のシーンがある意味でそれを補完する役割があると思うのですが、ただ、このシーンもやはり「ゲバラとはどんな人物であったか」に重点を置いています。

この映画を観て、Lifeのインタビューでは「ゲバラがやったことについてどう思うか」であるとか、「現代の日本にゲバラがいたらどうだろうか」などの質問をしていました。しかし、この映画を観る限りでは、ゲバラに何らかの思想的な背景があったようには見えません。ゲバラは「何か」と戦っているのですが、それが「社会主義革命の実現のため」であるとは明確に語られてません。だから、「武力闘争とはどんなものか。どうあらねばならないのか」ということはよくわかる映画なのですが、ゲバラの実現しようとしている目的やそれに対する手段について観る側が妥当だと思う根拠があまりないのです。

今回の金融恐慌を受けての世界不況とたまたま時期が符合して、資本主義の行き詰まりと対比して語ろうとする語りがあるように思います。でも、「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」で鈴木プロデューサーがソダーバーグ監督にインタビューしていますが(とても面白いです)、その中で「8年前から作ってる。偶然だった」と言っているように、これはそういうレベルのメッセージを持っている映画ではないなと思います。

つまり、この映画は「方法」について、ある特殊な例について克明に記した映画です。ただ、「目的」がない・・・つまり「物語」がないので、ある意味、つまらない映画です。しかし、その「つまらない映画」で132分の映画を見せきってしまうのですから、見る価値がないとは思えません。しかし、やっぱこれは人に勧めるには難しい映画かもしれません。

そして、パート2の「チェ 39歳 別れの手紙」では、ゲバラの一生に意味づけをすることになるのでしょうから、否応なく「目的」に立ち入らなければならないと思いますが、どうなるでしょうか。そして、私は観に行くんでしょうか(笑)

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