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チェ 28歳の革命

チェ・ゲバラって有名な人らしいですが、私は全然知りませんでした。文化系トークラジオLifeの特番で取り上げられていたので観てきました。

んー、ピンとこないです。「チェ 28歳の革命」では、チェ・ゲバラが革命を志した同士と共にメキシコからキューバへ渡り、ゲリラ戦の末に戦いに勝利するところまでがドキュメンタリータッチで描かれています。実際にチェ・ゲバラがその過程でどんなことをしていたのかがわかります。

医者として負傷者を手当てするゲバラ。銃を撃つゲバラ。リーダーとして隊を率いるゲバラ。脱走兵に厳しく接するゲバラ。志願者たちに「銃は持っているのか。読み書きは出来るのか」と問うゲバラ。寸暇を惜しんで小さなメモ帳に日誌を付けるゲバラ。

ただ、もともとキューバ革命やカストロやゲバラについての知識がない私にとって、そもそもキューバの何を変えたくてゲバラが戦っているのか。何がまずくて、それに対して何をしようとしているのかが何もわからない映画になっています。しかし、そういうことを描くことは「ゲバラに正義がある」というある種の価値判断の示してしまいます。おそらくはそれを避けるためにこういう形になっているのだと思います。このエントリの写真はYahoo 映画から持ってきたんですが、この国連での演説のシーンがある意味でそれを補完する役割があると思うのですが、ただ、このシーンもやはり「ゲバラとはどんな人物であったか」に重点を置いています。

この映画を観て、Lifeのインタビューでは「ゲバラがやったことについてどう思うか」であるとか、「現代の日本にゲバラがいたらどうだろうか」などの質問をしていました。しかし、この映画を観る限りでは、ゲバラに何らかの思想的な背景があったようには見えません。ゲバラは「何か」と戦っているのですが、それが「社会主義革命の実現のため」であるとは明確に語られてません。だから、「武力闘争とはどんなものか。どうあらねばならないのか」ということはよくわかる映画なのですが、ゲバラの実現しようとしている目的やそれに対する手段について観る側が妥当だと思う根拠があまりないのです。

今回の金融恐慌を受けての世界不況とたまたま時期が符合して、資本主義の行き詰まりと対比して語ろうとする語りがあるように思います。でも、「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」で鈴木プロデューサーがソダーバーグ監督にインタビューしていますが(とても面白いです)、その中で「8年前から作ってる。偶然だった」と言っているように、これはそういうレベルのメッセージを持っている映画ではないなと思います。

つまり、この映画は「方法」について、ある特殊な例について克明に記した映画です。ただ、「目的」がない・・・つまり「物語」がないので、ある意味、つまらない映画です。しかし、その「つまらない映画」で132分の映画を見せきってしまうのですから、見る価値がないとは思えません。しかし、やっぱこれは人に勧めるには難しい映画かもしれません。

そして、パート2の「チェ 39歳 別れの手紙」では、ゲバラの一生に意味づけをすることになるのでしょうから、否応なく「目的」に立ち入らなければならないと思いますが、どうなるでしょうか。そして、私は観に行くんでしょうか(笑)

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