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生物と無生物のあいだ/福岡伸一

やたら評判がいいので読んでみましたが・・・うーん、これはエッセイですな

サイエンスエッセイとしては日本人離れしたうまさを感じる、いい本だと思うんです。ですが、これが新書で、しかも「科学ミステリー」だとか「生命とは何か」だとか「生きることへの不条理さが描かれている」だとかは何の寝言かと。

ラストの尻切れトンボさからもわかるとおり、この本はまったく論として形を成してません。この本が面白いのは、福岡さんの科学者らしからぬ叙情的な文章のうまさと、そこから現場の科学者の生の息づかいが聞こえてくるからです。はっきりいって、現場の研究の悲喜こもごもはそりゃ間違いなく面白いですよ。でも、それはどんな仕事でも同じじゃないかと思うのです。

ちなみに、私の研究室時代のボスのH先生はそれはそれはエッセイが面白い人で、コロキュウムの度に研究に関係があったりなかったりするエッセイをそっと忍ばせて配ってました。H先生は、一流の学者だというにはちと難ありな感じでしたが、間違いなく彼なりの確固たる姿勢を持ったブロの研究者で、かつ、半分遊び人みたいな人で、先生の書くものはなんとも言えない味がありました。

それにしても、科学者からもっとこのような面白いエッセイが出てくるべきです。他に一般に読まれているのは養老先生や茂木健一郎さんぐらいかな。もっともっとたくさん出てくるべきです。それはやはり最新の科学技術というものが我々の生活や思想に少なからぬ影響を与えるにもかかわらず、その世界が遠く感じられている現状を覆すことになるからです。そして、単純に面白いからですな!

でも、この本が売れる余地があるんであれば、何も本当の科学者が書かなくてもこういう話を面白おかしく伝えることのできるライターさんはいっぱいいるんじゃないかと思うし、ネタなんて日本中、世界中にわんさかとあると思うんですが。ぶっちゃけ、私が書きたいぐらいなんですけどね。

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