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四畳半神話体系/森見登美彦

「夜は短し歩けよ乙女」で話題になった森見登美彦です。気になってはいるんですが、とりあえず文庫から様子を見てみようと、これを購入してみました。

もう初っぱなからやられました。この文体はホントに私好み。というか、超ノリノリの時の私って、たぶんこんなまわりくどーいしゃべりをしてるんじゃないかしらんと思うぐらい。

主人公は京都のうだつの上がらない大学の三回生で、おそらく京都には未だにあるだろう、ふっるーい四畳半の下宿でうだうだしています。しょっぱなから後悔の念しきり。

当時、私はぴかぴかの一回生であった。すっかり花の散りきった桜の葉が青々として、清々しかったことを思い出す。

新入生が大学構内を歩いていればとかくビラを押しつけられるもので、私は個人の情報処理能力を遙かにに凌駕するビラを抱えて途方に暮れていた。その内容は様々であったが、私が興味を惹かれたのは次の四つであった。映画サークル「みそぎ」、「弟子求ム」という奇想天外なビラ、ソフトボールサークル「ほんわか」、そして秘密機関<福猫飯店>である。おのおの胡散臭さには濃淡があるものの、どれもが未知の大学生活への扉であり、私はなけなしの好奇心でいっぱいになった。どれを選んでもとりあえず面白い未来が開かれると考えていたのは、もはや手の施しようのない阿呆としか言いようがない。

確かに、どれもなんかダメそう。そして、第一話では主人公は「みそぎ」へ入部するわけですが・・・。その奇想天外なストーリーとゆるゆるな会話を楽しみましょう。

さて、第二話・・・は、あれ?第一話とまったく同じ文章が。どうやら、今度は「弟子求ム」についていっちゃった場合の様子

こんな調子で、同じ登場人部が役割を変え、位置を変えしながら、こちらで起こったことがあちらへ影響しながら・・・と四話目まで、それぞれの道での主人公の運命が語られます。要するにパラレルワールドものなんですが、そのメタの次元にいるものが何かかが、なかなかしゃれてます。でも、読者はあんまり難しいことは考えずに、単純なメロディの4つの変奏曲を楽しめばいいと思います。どれか一話だけ取り出しても、十分ヘンテコで面白い話なんですから。

そんなわけで、面白かったので「夜は短し~」の文庫落ちを首を長くして待つことにします。

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