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リアルのゆくえ おたく/オタクはどう生きるか/大塚英志+東浩紀

2001年、2002年、そして2007年に行われた二人の対談を集め、最後に書き下ろしとして今年、秋葉原無差別殺傷事件があった後に対談したものを付け加えた対談集です。

が、見事に噛み合ってません。話題はかなりハイレベルなんですけど。どちらかといえば、大塚さんが東さんの批評家としてのポジションや構え方についてを批判して、東さんが「あんたの言ってることは正しいけど、だからといって何が問題なのかわからない」といっているだけで全然生産的じゃない。当然、私は東さんの考え方に近いので、批評家あるいは知識人としてこの世の中の公的なものを維持して改善することにコミットするべきだという大塚さんに対して、「で、それでなんかよくなるんでしたっけ?」という東さんの立場にしか誠実さを見いだせません。大塚さんが言っている知識人は、自分の全然専門でもない話題に関してもしたり顔で能書きをたれてみせるワイドショーのコメンテイターにしか思えないのです。

しかし、秋葉原無差別殺傷事件の後では、少し立場が変わります。東さんはこの事件に対しては「自分たちの世代の問題だ」と認識して、いち早く朝日新聞にコメントを出す積極的にコミットする立場を取ります。それに対して大塚さんが、

ぼくが宮崎勤の事件が起きたときに思ったのは、どこかに書いたけど、「自分たちの順番が来たんだ」って言うことだけですよ。

それはたとえば、永山則夫の事件のときの文献を辿っていけば、江藤淳が熱心にものを言っているし、連合赤軍のときだっていろんなひとの発言があった。それをぼくは下の世代から見ていて、なるほどそういうものなのかっていうふうに単純に理解していて

この発言には、うっと詰まってしまうものがありました。なるほど、私が今は自分たちの世代にとっての「政治の季節」だと感じていたある一面の在り方がわかったような気がしたんです。

まあ、しかしながら、この本が講談社現代新書のレベルに達しているかは、ちと疑問と言わざるを得ないです。この本はまさに今出されるべきものだと思いますが、新書ってそういうものでいいのかなあ

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