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3年で辞めた若者はどこへ行ったのか/城 繁幸

なぜ若者は3年で辞めるのか」の続編・・・というには、ちょっと中身が散漫です。

というのも、この本はWebちくまで連載されていたものをまとめたものだというだけでなく、その連載が「これまでの昭和的な価値観を外れている若者に関するドキュメント」だからです。まあ、ドキュメント(それもひとつひとつはそう長い文章ではない)をまとめたものがそんなに一方向にすぱっとまとまっていたらそれはそれで作為的なので、論の体を成してないというのは当然で、仕方がないことでもあります。

だから、ひとつひとつの話を興味深く読んだんですけど、読み終わった後に「で、どうすりゃいいんだろう」と思ってしまうのです。

ここのところ、私が多く目にする議論は「ロストジェネレーションは、『勝ち組・負け組』なんて言われて世代的に水平なところと無理矢理に競争させられていたけど、本当に戦う相手は同世代だったのか?」というものです。「今時、都銀に勤めてるなんて、時代の流れがわからない負け組」「フリーターはもっと努力して正社員目指すべき」という論調から、「俺たち、横の連携で運動とかするべきだったんじゃね?」という流れが出来てきました。まあ、赤木智弘さんがきっかけですかね。ですが、団結するべき若者達は、心が弱すぎて友達もロクに作れず学歴も低いとなると、革命運動を引っ張る「調子いいが人をうまく動かすバカ」と「言説巧みにみんなをアジって喜ぶインテリ」がいないわけで、まあ、なかなか難しい。

なんか、自分で書いておいて最後の一文が微妙に自分の胸に突き刺さるけど、いいか。一応、アタシも勝ち組に入れてYO<をい

というわけで、いろんな人の生き方を見てふーんと思ったんですが、第三章の2節目、全体で22本掲載されている連載の最後のひとつ、「昭和的価値観22 『左翼は労働者の味方であるということ』」が、面白い視点をくれました。以前、ちょっとニートとフリーターについて書いてた時に読んだので、おおーっと思いましたね。

今、ロストジェネレーションについて語ろうとすると世代間闘争の構図をあぶり出します。つまり、以前の私たちが歴史で習った「持つものVS持たざるもの」の対立において「持つ」のは資本であり、資本家と労働者の間の闘争だったわけですが、それが今や「持つ」のは職になってしまい、サラリーマンVS非正規雇用者の間の闘争になりつつあるわけです。だって、倒すべき資本家なんてもう日本にはいないもんね。じゃあ、サラリーマンの方は戦う相手として打倒かと言えば、バブル以降入社の正社員は人員削減による過密労働、成果主義のプレッシャーと定期昇給なしの状態で体をぶっ壊すわ、鬱病になるわ、フリーターに舞い戻るわ、そんな有様。その上の世代はがっちりと既得権益を抱えて・・・家でニートを養ってたり?(笑)。誰と誰が戦えばいいのやら。

著者はあっさりと回答を投げかけます。「同一労働同一賃金」にすればいいと。40歳の正社員がやろうが、フリーターがやろうが、同じ仕事をしたら、同じ報酬を出せばよいと。まあ、私もそう思います。というか時代はそういう方向に行ってます。だって、自分が消費者だったらそう要求するんですからね。

で、本当なら左翼というか改革派はこぞってこれを打ち立てるべきですが・・・社民党や共産党がそれを出来ない。なぜならば、彼らは「労働者」の政党で、ここでいう「労働者」ってのは既得権益を抱えて成果主義とリストラに脅える正社員だから。「パートさんに俺たちと同じ給料を払え!」と労働組合が言うわけない。でも、そんな左翼が必要なの?批判票だけで食ってはいけないんじゃないの?

城さんは、痛烈に2つの党を批判します。この本で唯一、城さんの強い気持ちが全面に前に出ます。

そんな彼ら既存左派勢力にとっては、赤木氏のような若者の存在自体が、自らの矛盾を暴いてみせるパラドックスなのだ。といって、いまさら「すいません、実は私たち、体制派の保守主義者なんです」なんて、口が裂けても言えない。じゃあ、どうするか。別にスケープゴートを仕立て上げるしかないのだ。彼らがバカの一つ覚えのように「構造改革で格差が拡大し・・・」とお題目を唱えるのには、こんな理由がある。

うーん・・・全くその通り。はっきり言って、今、常識がある人で、社民党や共産党の意見に耳を貸すほうがどうかしてる。入れても私の1票が無駄になることは確実だもんなあ。さらにこんなことも。怒ってるなー

さらに言えば、社民党は2003年の選挙で大敗した後、「交付金も仕事も減ったから」という"どこの経営者でも言いそうな理由"で、党職員の4割ほどをリストラした輝かしい前科がある。まさにIBM並み、経団連会長もびっくりの荒技だ。社会全体に対しては明確に否定したアプローチでもって、自分のところの効率化だけは、ちゃっかり推進しているわけだ。この党が理念なんてものとは無縁な俗物だということが、この一点を持ってしてもよくわかる。

(中略)

言っておくが、自分は別に戦犯探しをしろと言っているわけではない。これは日本社会が向き合うべき問題であり、そしてそれを怠ってきたという事実を述べているだけだ。だが、スケープゴート論で論点をぼかし、結果的に問題の解決を遅らせてしまっている既存左派に対しては、激しい怒りをおぼえる。

50代以上は逃げ切れるかもしれない。でも、40歳未満はどこにも逃げる場所なんてないのだ。グローバル化の荒波の中を、上の世代が食い散らかしたツケを背負って乗り切らなければならないのだから。

うーん・・・ここでは触れられてないけど、これは自民党、民主党の主張と照らし合わせてもどうなんでしょう。上のような議論は正直言って政治で解決するのがもっともいいはずですが、私たち、ロストジェネレーションの声を吸い上げてくれる政党はどこなんでしょう?歳食ってるというだけで、時代に乗り遅れ、ろくな仕事も出来ないくせに私の倍の給料をもらってるやつをぶっとばすには、どこに票を入れれば?

自民党?でも、政権政党に票を入れ続けて変わるの?民主党?ジジィからもう少し医療費取ろうと言ったら鬼の首を取ったように批判しまくった政党が俺たちの味方?まさか・・・

結局、私たちが舐められてるってことなのですか?イジめても、得票に影響しない連中として。そのツケってのは確かにありそうな話ですね。うーん、考え込んでしまいます。

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