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機動戦士ガンダムUC

雑誌「ガンダムエース」に連載中の、オリジナルストーリーのガンダム小説が単行本になりました。あえて狙ってるんだと思いますが、版は文庫でも新書でもなく、「オリジン」と同じ大きさです。表紙が安彦さんの絵なので、マンガと間違えて購入する人続出・・・なわけないか。

終戦のローレライ」「亡国のイージス」の福井晴敏さんがかなりのガンダムファン・・・というより、富野ファンであることはよく知られています。BSアニメ夜話のガンダムの回にも出演してましたし、NHKのトップランナーに出演したときも、「デビュー作を出したときに、世の中には献本というシステムがあり、誰にでもしていいと編集者に言われたので、富野さんに送った。丁寧なダメ出しのお返事をもらった。それからの親しくさせてもらい、仲人もしてもらった。結婚式でも駄目出しされた」と語っていました。

そんな福井さんの小説は、富野さんのガンダムのノベライズにかなり影響を受けているようです。このガンダムUCも、まるで富野さんの小説を読んでいるよう。昔、富野さんの(読みづらい)ガンダム小説を楽しんで読んでた私には、なにかとても懐かしく読めてしまいました。

富野さんがガンダムの小説、特にテレビシリーズのノベライズをやると、アニメ製作でたまった鬱憤をぶつける場になりがちで、非常に鬱屈したものになる傾向があります。「閃光のハサウェイ」などのアニメを前提としていない作品ではかなりマシですが、それにしたって読みやすい小説とは言えません。ところが、「月に繭 地には果実」(∀ガンダムのノベライズ)もそうでしたが、福井さんは富野小説をリスペクトしてふまえた上でエンターテイメントとしてどうあるべきかに重点をおいてくれるので(まあ、当たり前といえば当たり前なんですが)、「僕たちの読みたかった富野小説」がここに出来上がるわけです。というか、福井さんが読みたい富野小説と、私が読みたい富野小説がかなり近い位置にあるということかもしれません。

これで、福井さんにアニメ監督としての能力があれば、いっそ富野ガンダムはもう福井さんが後を継いでしまって、スタートレックにおけるジーン・ロッテンベリとリック・バーマンみたいな関係になってしまってもいいと思うんですが(笑)。いや、別にプロデューサーになってもらって、監督は別でもいいのか。

さて、ストーリーは久しぶりの本格的な宇宙世紀ものでして、時代はUC 0096。第二次ネオ・ジオン抗争(シャアの反乱)から数年後。地球連邦やアナハイムエレクトロニクスともつながりのあるある財団の抱える秘密と、その裏で暗躍するジオンの残党。主人公はこの陰謀にたまたま巻き込まれた工業専門学校の生徒、バナージ。ヒロインはジオンの艦に密航していた世間知らずのお嬢様、オードリー。しかし、ジオンの艦で「姫」と呼ばれるUC 0096頃に17,8歳ぐらいの女の子といえば、もう正体はバレバレ。既刊ではまだその正体は明らかではありませんが、どう見てもコイツはミネバ・ザビ。公式設定では、UC 0100にジオン共和国は自治権を放棄することになっていまして、今回のストーリーはそこへ至る話だと思われます。

実は、このジオンの自治権放棄に伴う話というのは一度作られてます。松浦まさふみさんの「ムーンクライシス」というマンガで、MS SAGAというメディアワークス(今で言う電撃ですな)から出版されていたガンダムコミックアンソロジー本で連載されていました。ここでも、メイファというヒロインが実はミネバ・ザビで、ジオンの残党のテロに担ぎ出されるというストーリーでした。
もちろん、この話が完全にオフィシャルの設定に組み込まれているかどうかは疑問ですが、割と懐の深い大きなストーリーでしたし松浦さんはガンダムの設定自体を良く理解して深く愛している人でしたし、むろんのこと、サンライズの許可を得て発表されている作品なので、今回はこれのリメイクということになるのか、ムーンクライシスはなかったことにするのか、企画者側がだれもムーンクライシスのことを知らなかったのかは大変気になるところだったりします(笑)

それにしても、小説2巻分で、まだ「ガンダム大地に立つ」に相当するところまでしかやってないわけで、これから先の展開が気になると同時に、いったい最終回はいつのことになるのか大変気になります。まあ、安彦さんのマンガが終わらない限り、ガンダムエースは続いていくので、そのへんは大丈夫かな?

さて、小説ながら、角川大プッシュ作品だけあってMS設定も気合いが入ってます。MS設定はカトキハジメさん。公式サイトのMS設定見てるだけでうっとりです。特に、GM(って言っていいのか?)からガンダムへ「変身」するという主人公機の設定は斬新。機体各部が展開して、赤い光が漏れながらガンダムの姿になるシーン、アニメで見たいなあ・・・。年末にはMGでキット化されるらしいので(その辺はブログ:Scanzonato Futurismoのこのエントリが詳しい)、そのプロモとして映像を作ってくれないものかしら。いや、このキットもカッコイイよなー。久しぶりに欲しいぜ

というわけで、ガンダム00はお子ちゃまにさし上げてですね(笑)、我々オールドタイプはガンダムUCで楽しめればそれでいいかなとか思います。いや、ガンダム00がコケるとガンダム界全体に差し支えますので、あっちはあっちで頑張っておいて欲しいんですけど。そういう意味ではガンダムSEEDは偉かったなあ。

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