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参議院選挙

自民党が大敗したわけですが、この結果はどうも納得いかないですねぇ。前のエントリにも書きましたが、少なくとも安部総理はまだその成果を云々されるような時期じゃないです。ここのところ、不祥事続きでしたが、それは小泉総理の時もいろいろあったわけですよ。そして、少なくともこんな大きな差が付くほど、実際に自民党より民主党が評価されているかといえば、実感としてそんなこともないじゃないですか?

こんな大きな差がついた原因としては、いくつか上げられますが

  • 批判票の受け皿があること
  • 選挙制度の問題
  • 「小泉じゃない旋風」

ってトコですかね。

かつて、自民党の批判票の受け皿は社会党でした。マドンナ旋風で土井たか子さんが「山が動いた」と言った時代の話。それが、いろいろと紆余曲折しつつも選挙制度の変更もあり、「政権交代もあり得る2大政党制」へやっと変わってきたということですね。ここに来て、「自民党がポカをすれば、代わりに他の政党が政権を取る」という体制になったということです。さすがに「いや、自民党って書きたくないけど、でも、社会党と書くのには抵抗があるなあ」って人達でも、民主党は書きやすい。だって、中身は大して変わらないんだもんね

で、先の衆院選の自民党大勝の時もそうだったんですが、今の選挙制度、つまり小選挙区制ってのは大差の勝利になりやすいわけです。小選挙区だと、各選挙区で自民と民主がそれぞれ、4割と6割の票を集めたとしたら、得票数は拮抗しても勝負は全部民主の勝ちになるのです。今回の1人区はまさにそうなってしまった。お陰で、実感としての支持者の数よりも選挙結果が極端に出るんだと思います。この制度は針が敏感に振れるのでシステムをドラスティックに変えていく上ではいいと思いますが、それだけに有権者は大きな責任をゆだねられているとも言えます。「今回はちょっとお仕置きね」という気持ちで自民党支持者が「民主党」と書いたとして、それがわずかな割合だったとしても無党派の動きと併せて政権を揺るがす動きになってしまうわけです。わかりやすいといえばわかりやすいですが、有権者はきちっと政策を判断して投票すべき。

で、この仕組みだと候補者って別にどうでもいいんだよね。名前を書く意味があんまりないです。政党名だけ書けばいい。ここで、実際には2票持っていて選挙区と比例区で両方使えるという「並立制」は、実は結果をもっと極端に振らせるってことにも気がつくわけです。どうもねえ、この選挙制度はどうだろう。私は、もっと分かり易く簡便にして、投票行動がダイレクトに国民の意思の表明になるような制度に出来ると思うんですけど。そうなったら投票します。今の仕組みだと投票する気にはなれないな。

さて、じゃあ多少アンプリファーされてるとして、今回の針の揺れがどこから来ているかというとこれはもう「安部さんは小泉さんじゃない」ってことに尽きるんじゃないかな。発言もそうだし、人事もそう。良くも悪くも、小泉さんのやり方が我々にはある程度馴染んでしまってるんですよね。

「郵政省をぶっつぶす」ってのと「美しい国を作る」・・・これでは比較になりません。人事も、小泉さんは自分で一本釣りして決めた内閣で、拙ければ自分の意志でさっさとクビにする。人の言うことは聞かず、絶大な人気を背景に他の人には言うことを効かす。安部さんはそういうやり方を取りませんよね。あの人は、それなりに意志も強引さも持ってるけど、それでも組織を動かすということのまっとうさを知ってる。明らかにまともなのは安部さんのほうなわけですよ。そもそも、ちょっと失言したぐらいの自分の部下を守るのはリーダーとして当たり前の行動だからね。でも、そのやり方がもう普通すぎてウケない。

ただ、本来、安部さんが比較されるべきは民主党の小沢代表なんですよね。みんな安部さんにバッテンを出しながら、じゃあ、「誰に変わって欲しいか」といえば小沢さんじゃないでしょう?実は、みんな小泉さんにやって欲しいと思ってるんじゃないです?もし民主党が政権を取るとして小沢首相をイメージ出来る?ちょっと、ないなって感じですよね。

もし、ここで安部さんが「わかったよ、やめりゃいいんでしょ、やめりゃ。えい、解散じゃー」と言いだして、衆院選をやったとしたら今度は完全に政権選択の選挙になっちゃいます。そこで、小沢さんをリーダーのままで戦えるか。小沢総理と安部総理、どっちがいいかって突きつけられたら・・・いやあ、これはルックス的にも政策的にも年齢的にもダメだ。今度はがっちりと安部さんが勝っちゃいますよ。圧勝の予感。でも、民主党はもう人がいない。唯一対抗できそうなのは菅直人さんだけだけど、二番、三番煎じの感はぬぐえませんし、こうなると前原さんを潰しちゃったのが痛いですね。

翻って、自民党の中を見てもポスト安部は小粒でイマイチです。個人的には官房長官時代の冷静沈着な対応と時たま光るユーモアのセンスを買って福田さんなんですけど、でも、一番選挙に強そうなのはなんだかんだ言って安部さん。いまだに後光が出まくってる小泉さんの後継者という面を前面に出して、再度、政権を取ったときの内閣構想を打ち出して、その人達が政策を語りまくり、民主党批判しまくりの体制を整えて、2ヶ月後ぐらいに解散総選挙に打って出たりしたら、多分、勝っちゃいますよ。そうなっちゃえば、いかに参議院で負けてるからってもう誰も文句は言えません。要するに、今、安部さんに足りないのは、そのぐらいのことをするパフォーマンス、強引なほどのリーダーシップ、何か(はわからないけど、)やってくれそうな期待感なんです。

今回の選挙に関して言えば、自民党の敵は民主党じゃなかった・・・というところを押さえた行動を各党の運営者が取れるのかどうか。戦勝ムードだろう民主党にしても、負けたせいで醜いところが吹き出すだろう自民党にしても、あんまりこの選挙がいい結果をもたらさないんじゃないかってところが、不安ですねえ

あと、公明党はもっと頭が良い奴をリーダーに据えないと、なくなっちゃうかも知れないと思う(笑)。公明党が何をしたいのかはよくわからないですけど、公明党が選挙に勝つ方法は簡単で、「うちは政権取れるほどの票は集められない。だから、他の政策では合意できなくても我慢するから○○という政策を実行してくれるところとなら連立する。うちは○○を必ずやる」と言い切ることです。これで学会員以外からも票が取れるでしょうし、確実に公明党の影響力が大きくなります。大体、選挙前から自民党と組んでるようじゃ、自民党に入れても公明党に入れても結果は同じなわけで、それじゃみんな自民党と書いちゃいますよ。学会員を増やしたいってのなら別ですが、単に得票を増やしたい、そして、公明党の力を強くしたいっていうのなら、少々卑怯と思われてもうまく立ち回るべきだと思いますよ。どーせ、そんなに世間からは良く思われてないんだからさ(笑)

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Comments

確かにね。賛成。
なんか漠然と考えてたことを文章にして頂いてすっきりした。

Posted by: タコチン | August 02, 2007 at 11:21 PM

でも、世間の流れはちょっと違うほうへ行ってますね。みんな、「責任」という言葉を軽く使いすぎてるんじゃないかと思う今日この頃です

Posted by: Tambourine | August 03, 2007 at 01:22 AM

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