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猫のゆりかご/カート・ヴォネガット

今年の4月11日に、カート・ヴォネガットが亡くなりました。私は、カート・ヴォネガットというと、村上春樹が影響を受けた作家という認識しかなかったんですが、私がよく読んでいるblogの反応を見ても、多くの彼の読者がショックを受けたようでした。

その作家の死がきっかけというのも読者としてどうかとは思いますが、何事も遅すぎるということはありません。ヴォネガットを一冊・・・ということで、「猫のゆりかご」を読んでみました。

感想ですが・・・いやー、表現するのは難しい。独特のシニカルでクールな文体と、短い沢山の章で出来た構成で語られていますが、かなりくっきりとしたメッセージを持っています。それをもっともよく表しているのが、ストーリーを裏から支える架空の宗教である「ボコノン教」です。ひとことで言って、表紙にニヒリズム、裏表紙にナンセンスと書かれた本が聖典のような宗教なんですが、ま、そんなものがテーマの中核になるんですから、ここで、私が「この本のテーマは○○です」と言えるようなものじゃないわけです。

あ、でも、「ボコノンの書」は分厚いらしいです(笑)

ヴォネガットはSF作家ということになってますし、この本もハヤカワの青背で裏表紙のあらすじにもきっぱりと「奇妙奇天烈な世界の終末を描いたSF長編」って書いてありますけど、これはSFではないですなー。なんか、こううまく言えませんが、これがSFなら、村上春樹もSF作家でしょう。 ああ、そうそう。確かに文体と構成は「風の歌を聴け」に似ている(それは逆だ)かも知れないですね。

では、気に入った一節をすこし。32章 ダイナマイト・マネーより

<目がまわる、目がまわる、目がまわる>とは、わたしたちボコノン教徒が、人生のからくりの複雑さや意外さを思うとき、常に口にする言葉である。
しかし、キリスト教徒であったわたしには、これしか言えなかった、「おもしろいことがあるものですね、人生には」
「おもしろくないこともあるもんだよ」とマーヴィン・ブリードは言った。

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